密室殺人ゲーム マニアックス 


 2014.10.20      密室殺人ゲーム崩壊 【密室殺人ゲーム マニアックス】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

密室殺人ゲーム」「密室殺人ゲーム2.0]共に普通では説明のつかないトリックを描いていた。それがゲームということであれば、動機的に無理があっても納得してしまう。本作は、それら過去のメンバーたちにあこがれた者たちが、またまた同じようなゲームを始めるという展開だ。これまでの作品と比べると、ミステリーの部分は弱まっている。

ネット上で5人がゲームに興じるテレビ電話の動画がUPされたことにより、物語は大きく動いていく。シリーズとして模倣犯が次々と登場する流れと、電脳の世界と現実が交差し、そこで衝撃的な結末を迎えることになる。五人の模倣犯の正体が、本作のポイントなのだろう。トリックの衝撃度は、若干グレードダウンしている。

■ストーリー

“頭狂人”“044APD”“aXe”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なハンドルネームを持つ5人がネット上で日夜行う推理バトル。出題者は自ら殺人を犯しそのトリックを解いてみろ、とチャット上で挑発を繰り返す!ゲームに勝つため、凄惨な手段で人を殺しまくる奴らの命運はいつ尽きる!?

■感想
前作までは、誰もが想像しないようなトリックを生み出すために、ありえないような状況で殺人事件を起していた。見ず知らずの人を選んで殺害したと思わせておきながら、実は…。複数の被害者の中に、実は加害者が存在しただとか。

ミステリーの常識を覆すようなトリックが特徴だったが、本作ではそのあたりが弱まっている。伝説的な五人の模倣犯が登場し、同じように密室殺人ゲームを繰り返す。トリック的には画期的だが、本作のメインはそこではない。この五人の模倣犯の正体がポイントなのだろう。

衝撃的事件を演出してきた密室殺人ゲームのメンバーたち。その動画がネット上にUPされると、正体を暴こうとネット住人たちがやっきになる。警察が威信をかけて犯人を見つけ出そうとしても、決して尻尾をださない五人。そこでも、ネット上の有志たちが協力し、犯人の手掛かりを探し出す。

ネットをうまく扱った作品であることは間違いない。誰もが簡単に動画配信できる時代なので、殺人をリアルタイムにネット上で放送するなんてこともできてしまう。常識を超えた状況であることは間違いないが、これが本シリーズの特徴なのだろう。

密室殺人ゲームに興じる異常な五人たちの命運はつきるのか。仲間内だけで楽しんでいた密室殺人ゲームの動画が、ネットにアップされたのをきっかけとして、仮想と現実が急速にリンクされていく。自己顕示欲の強さゆえか、それとも…。

異常な殺人を繰り返してきた者たちは、いずれ捕まる運命にある。それがどのようにして捕まるのか。また、五人の正体は…。殺人のトリックよりも、模倣犯の正体の方が衝撃だ。逮捕されるまでの怒涛の展開も、ネットならではの、ほんの少しの情報からターゲットにたどりつく恐怖を感じることができる。

トリックの特殊さは弱いが、模倣犯の正体は衝撃的だ。



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