ガリバー旅行記


 2014.7.15     自然とミュージカル調に 【ガリバー旅行記】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
子供のころに読んだガリバー旅行記が、現代風?になって帰ってきた。紛れ込んだ小人の国での行動がメインなのだが、ガリバー役をジャック・ブラックが演じることで、面白ミュージカル風になってしまう。新聞社の郵便配達係りとして、プライドだけが高く、失敗を恐れ挑戦しない男。

ガリバーが小人の国でとまどいながらも奮闘し、いつのまにかヒーロー扱いされ、調子になるあたり、ジャックブラックの演技が秀逸すぎる。体がでかいだけで、あらゆる面で有利になる。戦いはもちろんのこと、大火事も機転をきかせて消してしまう。本家ガリバー旅行記に近い、小人の国でのワクワク感がある。が、現代版ではそれだけで終わらない、流行モノの詰め込みがある。

■ストーリー

時は現代――。都会の新聞社で、しがない郵便係をするガリバーは、失敗を恐れるあまりすぐに諦めてしまうさえない男だった。ある日、ハッタリで手にした仕事で、取材へ出掛けるが、船が遭難し、小人の国へ迷い込んでしまう。

そこでは“大きな体"のガリバーは人生で初めて頼りにされ、つい自分は大統領だと嘘をついてしまう。国中の人気者になったガリバーだが、あることがきっかけで信頼を失うことに。果たしてガリバーは体の大きさだけでなく、本当のヒーローになれるのか!?

■感想
気になる女性の気を引くために、嘘をつき、取材に出発するガリバー。そこで迷い込んだ小人の国でヒーロー扱いされてしまう。日の当たらない仕事ばかりを続けてきた男が、ある日突然脚光を浴びるとどうなるのか。調子にのったガリバーは、有名映画の名場面を、さも自分の経験談のように語る。

ガリバーの自己顕示欲の強さと、お調子者の部分が存分にアピールされている。現代版ガリバー旅行記ということで、このあたりの描写ははずせないのだろう。一部にはガリバーを妬む者もいるが、それでも幸せを謳歌するガリバーの姿は面白すぎる。

小人の国で無敵かと思われたガリバーが敗北する。これまた、「アイアンマン」風なロボいやられてしまう。パロディ満載で、さらにはガリバーのキャラが、その風貌から面白さを増幅させている。小人の国の次は、お決まりどおり巨人の国となる。

メインは小人の国なので、巨人の国は少しの面白エピソードだけで終わっている。ブヨブヨの体つきにもかかわらず、動けるデブなので、ダンスの切れはすばらしい。いつの間にか物語はミュージカル調になり、ガリバーがヘンテコなテンションで物語を締めくくっている。

ガリバーが自分の経験したことを発表し、郵便係から抜け出すことになる。すると、いかにもできる編集者風な風貌で、新人へ立派な言葉を語る。ジャック・ブラックは、その存在だけですべてがコメディとなってしまう。歌う姿なんてのは「スクール・オブ・ロック」を思い出してしまう。

不細工にも関わらず、モテキャラを装い、プライドが高い割に、簡単に落ち込んでしまう。そんなキャラを演じさせると、ジャックブラック以上にうまく演じられる俳優は存在しないだろう。

ジャックブラックの風貌が物語の流れを決めたといっても過言ではないだろう。



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