白夜行-白い闇の中を歩く


 2014.11.20      せつなすぎる最後のエピソード 【白夜行-白い闇の中を歩く】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
原作、ドラマ、日本版の映画をすべて見ているが、韓国版である本作も、その面白さをキープしている。長大な原作をコンパクトにまとめた驚きは、すでに日本の映画で感じていた。本作では、そこからより孤独で陰鬱な雰囲気が強くだされている。隠れた上昇志向で登りつめていく女と、それを陰で支える男。根本となる事件の年齢が上がっていることで、よりリアル感があり、さらには後半の娘への悲惨な行動にもつながっている。

原作を読んでいなくとも十分楽しめる。ただ、唯一の欠点というと、他の作品でもそうなのだが、女と男の接点を描いているということだ。原作ではまったく描かれない部分だが、物語をわかりやすくするためには仕方のないことなのだろう。

■ストーリー

密室となった廃船で、質屋の店主が殺された。決定的な証拠がないまま、事件は容疑者の死亡によって一応解決を見る。 しかし、担当刑事のハン・ドンス(ハン・ソッキュ)だけは腑に落ちない。容疑者の娘で、子供とは思えない妖艶な魅力を放つ少女イ・ジアと被害者の息子で、どこか暗い目をしたもの静かな少年キム・ヨハンの姿がいつまでも目蓋から離れないのだ。

やがて美しく成長しユ・ミホと名を改めたイ・ジア(ソン・イェジン)とキム・ヨハン(コ・ス)の周辺で不可解な事件が立て続けに起こり、意外な関係が姿を現し始める…。

■感想
過去の事件をきっかけとして、上昇することだけを考える女へ成長したユ・ミホ。それを陰で支えつつ、犯罪行為もいとわないヨハン。原作を未読の人が本作を見たとしたら、中盤まで、どのような動機で誰が裏で糸を引いているかすらわからないだろう。

偶然にもミホの周辺で事件が起こり、それをきっかけとしてミホが登りつめていく。この不可思議さが良い。ミステリーとしての面白さが究極までに高まった時、原作を未読の人用に、ミホとヨハンが繋がりがあるということが描かれている。

日本版と比べると、登場人物たちすべてに濃い影が付きまとっている。ミホやヨハンだけでなく、ふたりを追いかける刑事まで、どこか暗い影をまとっている。そのため、全編通して究極に暗い。辛く悲しい物語であることは間違いない。

特に、ラストは圧倒的な悲しさがある。過去を回想する場面では、日本版やドラマにはない、本作独自の演出が加えられている。決して近づくことのない二人。学生時代に一度だけ偶然を装い二人がおなじ写真におさまる。悲しすぎるエピソードを最後にもってくるのがすごい。

日本版との比較にあまり意味はないのだが、どうしても比較してしまう。見た時の衝撃は、やはり日本版の方が大きい。それは、ストーリーをコンパクトにまとめた見事さに驚いたからだ。本作も十分コンパクトにまとまっているが、日本版の焼き直し感はある。

そうは言っても、独自の部分はやはりすばらしい。事件発生時の年齢を上げたことで、生々しい悲しさがある。初めて白夜行に触れる人であれば、どちらでも問題はないだろう。悲しさを強く感じるのは間違いなく本作だ。

原作が良いと、映画もすばらしくなるとういことだろう。



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