2010.4.26 マヤ文明の子どもたち 【上と外3 神々と死者の迷宮 上】
■ヒトコト感想
2巻から引き続き、子供たちはジャングルの中をさまよい歩く。親たちはテロリストの目を盗み、子供たちを捜しに向かう。本作ではさらにサバイバルの要素が強くなりつつも、新たな展開が待ち受けている。疲労困憊する中でも生き残るために、ジャングルで必死に食べ物を探す。このあたりサバイバル感は満載だ。しかし、不思議な建物に出会うと、そこから一気に謎の視線が登場してくる。マヤ文明の何かが関係するのか、それとも怪しい原住民なのか。窮地に立たされた子供たちが、どうやって生存するのか。単純に親たちの助けを待つのではなく、何か大きな出来事が起きるのは確実だ。前フリとしてはこれ以上なくしっかりとできている。謎の人物の正体が気になるところだ。
■ストーリー
誰かに見られてる、誰もいるはずのないジャングルの中で…。得体のしれない不安を抱えつつ歩き続ける練と千華子は、その入口に深い闇をたたえる遺跡を見つけた。そこでの束の間の休息。しかしすぐに疲労困憊する千華子の身に異変が起こった。それを待ち受けるかのように現れた新たな謎。そしてついには練の身にも…。
■感想
ジャングルの中に迷い込んだ子供たち。前に進んでいくにつれ、不思議な建物が見えてくる。これがサブタイトルにもあるように、神々の迷宮ということなのだろうか。まるでアドベンチャーゲームをやっているように、次々と怪しげな謎が登場してくる。さらには、ピンチに陥った子供たちを救う謎の人物も現れる。この段階では、敵なのか味方なのか、そして、子供たちが十二人集まるという謎の言葉もアドベンチャーゲームそのままだ。
子供たちが必死で生きようとする中、親たちもテロリストの目を盗み、逃げ出そうとする。そして、子供たちの救出に向かう。単純に子供を助けるんだという親心だけではない。複雑な親子関係から、かならずしも子供べったりな親たちではない。そのため、作中でも言及されているように、親としての使命感が行動させているのだろう。親子関係が複雑なだけに、子供たちからすれば、見捨てられても仕方がないと思い。親からすれば、精一杯やったという、いい訳じみた言葉を言うために助けに行くのかもしれない。
シリーズとしてちょうど中盤に位置する本作。ジャングルでさまよう子供たちには、何か運命的なものが待ち構えているのだろうか。マヤ文明との繋がりは?錬たちを助けた子供たちが日本語を話せるのは何故か?など気になる部分は沢山ある。おそらくそれらは、このあとじっくりと解明されるだろう。アドベンチャーゲームでいうところの、中盤ですべての謎が出尽くし、これから先はしっかりとした謎解きと解決編へと一気に進んでいくのだろう。
謎の子供たちが気になって仕方がない。
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