2009.2.24 これがガイ・リッチーの現状か 【リボルバー】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
ガイ・リッチー作品が好きだ。特にスナッチなどはかなり好きだった。その監督の新作となれば、当然最上級の期待と共に見るのだが、かなりの期待はずれだった。スナッチのようなスピード感や場面展開の特殊さ。そして、ちょっとしたユーモアと、驚くほど練りこまれたストーリー。それらが一切見うけられなかった。冒頭では、これからどんなことが起きるのだろうという期待感と、不思議な出来事などで観衆を引き付ける魅力はある。それが最後まで引っ張られ、謎が謎をよび、最後にあっと驚かせてくれるのかと思いきや…。そのまま終わってしまう。どこか自己啓発セミナー的でもあり、ひたすら自問自答する禅問答のようにも思えた。期待が大きかっただけに、落胆も大きい。
■ストーリー
罠にはめられ投獄された、凄腕のギャンブラー、ジェイク・グリーン。獄中でギャンブルに勝つ究極のテクニックを学んだ彼は、出所後、彼をはめた暗黒街の大物マカに勝負を挑み圧勝する。マカは即刻、ジェイク抹殺の命令を下すが、突如現れた謎の二人組によってジェイクは救われる。しかし、それは新たな罠の迷宮の入り口に過ぎなかった・・・。
■感想
強烈なスピード感としゃれた雰囲気。スナッチが上映された当初は衝撃を受けた。そんなスナッチの監督であるガイ・リッチーの作品。スナッチの前の作品も好きで、この監督の独特な手法が大好きだった。残酷な場面を、それを傍観する人々の表情だけで、表現したり、よくわからない展開ながらも、最後には全てがしっかりと理解できている流れ。ハードボイルドのはずが、いつの間にかお笑いの要素が組み込まれていたり。それらすべてがガイ・リッチーの魅力だった。しかし、本作はそれらの魅力がすべてなりをひそめている。
冒頭では、ガイ・リッチー作品にはおなじみのジェイソン・ステイサムが登場し、なにやら不思議な行動をとる。手渡されたメモのとおりに行動したり、余命3日と宣告されたり。それらの謎が後になってしっかりと説明されるかと思いきや、すべてが放置されている。謎のザ・ゴールドであったり、謎の二人組みであったり。いかにもな雰囲気をだしながら、最終的には何の答えも提示してくれない。いきなり音楽だけのエンディングで強制的に終了させられると、かなり不満でいっぱいになる。
全盛期のスピード感や面白さには到底及ばない作品となっている。ひたすら自問自答するキャラクターたち。だから結局なんなんだという思いしかない。情緒不安定な禿げた殺し屋は、その中でも個性が光っていたが、結局はそれだけだ。面白そうな素材は盛りだくさんなのに、それが活かされていない。あまりに奇をてらいすぎて、結局はへんてこな映画になってしまったという感じだろうか。最後にしっかりと驚かせてくれる何かや、しっかりとした答えを示してくれれば、まだ救いがあったかもしれない。
好きな監督の作品だけに、ショックは大きい。
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