ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記


 2008.8.23  コンクリートジャングル大冒険  【ナショナル・トレジャー2 リンカーン暗殺者の日記】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
タイムリーに冒険家モノを見ているだけに、どうしても比較してしまう。大御所であるインディージョーンズと比べて本作はどうだったのか。アドベンチャー的な要素は間違いなくインディージョーンズだが、本作はまた違った魅力がある。それはメインとして都市部での謎解きに力を入れているだけに、まったく別物と感じてしまう。どちらかというとダ・ヴィンチ・コードに近いようにも感じられた。謎解き的な面白さはこのさいどうでもいい。そのあたりはダ・ヴィンチ・コードでお腹一杯だからだ。現代を舞台として大統領だけの謎の本が存在するなど、かなり眉唾な情報を、さも当然のように語っているのが、それが本作のぶっ飛んだ面白さなのかもしれない。

■ストーリー

歴史学者にして冒険家のベン・ゲイツ一族に「リンカーン大統領暗殺者の真犯人」としての汚名がきせられた。真相を追うゲイツは、自由の女神、バッキンガム宮殿、ホワイトハウスといった歴史的な建造物に秘められた暗号を次々と解読。やがて彼は、歴代大統領に受け継がれる秘密文書に辿り着き、アメリカ新大陸の《黄金伝説》への手掛かりが記されていることを知る。世界を支配する事ができるほどの莫大な秘宝を、見えざる敵から守るため、ゲイツは歴代大統領にも不可能だった《黄金都市》の謎に挑む―。

■感想
歴代大統領に受け継がれてきた秘密文書といわれると、どうしてもやりすぎだろというような気になってきる。さらには、そこに書かれている内容が、かなりいかがわしいものであればなおさらだ。提示された謎に対して、現実とリンクさせようとするとどうしても無理が生じてくる。ないとは思うが、本作を見て本当に大統領だけが見ることのできる秘密文書があると信じる人もいるかもしれない。洞窟や秘境を探検する変わりに、現代のコンクリートジャングルで宝探しを行うゲイツ。ある意味、現代的なインディージョーンズと言っても過言ではないだろう。

世界を支配できるほどの莫大な秘宝。最初はただ祖父の名誉を守るために行動していたはずのゲイツも、巨大な黄金ほしさに宝探しに奔走する。今、現在のアメリカにこれほど夢のある秘境が存在するのだろうか。近代的な都市において、夢を持たせるのは素晴らしいことかもしれないが、ちょっと覚めた目で見てしまった。個性的なキャラクターを演出しようとしているようだが、相変わらずぼんやりとした表情のニコラス・ケイジは、なんだかこの手の宝探しにはむいていないような気がしてしょうがなかった。

ラストのドタバタ劇においても、なんだか主役グループよりも、金と名前を残すことに執着する敵グループの方がキャラ立ちしていたような気がした。目的を達成するためには手段を選ばず、あらゆる者を利用して宝を見つけようとする。その一貫した信念はすばらしい。さらには最後の場面でのなんともグダグダな終わり方になりかけたところを、ゲイツたちと仲間になると思わせておきながら、いろいろとハプニングが起こる。これは良かった。

メインの宝探しと平行するようにゲイツの昔の恋人との関係がごたごたするのは、ある意味ハリウッド映画の定番なので、もはやなんとも思わなくなった。



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