ダ・ヴィンチ・コード


2006.6.20 原作を読んでから見るべきだろう 【ダ・ヴィンチ・コード】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
映画化して成功した部分と失敗した部分が如実に現れている。本作はたびたびダ・ヴィンチの絵を謎解きに使っているが、原作では文章で伝えるためそのイメージがなかなかわかなかった。しかし映像化することでそれがはっきりと示されるので理解はしやすかった。謎と映像の融合は申し分ないのだが、やはり濃密な原作を短時間にまとめなければならないので、どうしても歯抜けのようの印象を受けてしまった。ラストが原作と多少違っていたが、万人受けするのは映画のラストだと思った。

■ストーリー

ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエールが殺害される事件が起こった。遺体の周囲には不可解な暗号らしきものが記されていた。フランス司法警察のファーシュ警部は、講演のためパリに滞在していたハーバード大学教授ロバート・ラングドンに協力を依頼、事件現場に呼び出す。宗教象徴学の権威であるラングドンはさっそく暗号の解読を始めるが、この時警部はラングドン自身を疑っていた。そこへ、暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われる。ラングドンが無実で、事件解決には彼の力が不可欠だと確信する彼女は、直後、ある驚きの行動に出るのだった…。

■感想
芸術の街というのか、フランス独特の雰囲気がよく出ている。原作を読んでいる者にとっては早足すぎる展開で次々と新しい謎が登場してくる。しかしこれは原作を読んでいなければ長い薀蓄や小難しい暗号などもしかすると眠りを誘う場面なのかもしれない。本作ではどうしてもはずせないキリストの歴史を説明する部分など、原作を読んでいても油断すると意識が遠のきそうになった。日本人にはあまりになじみなさすぎるのかもしれない。

急ぎ足で進む展開においてもソフィーの若い女優にはないなんともいえない美しさが際立っていた。彼女の美しい体の細さにも目を引かれるのと、その副産物として目の錯覚で一緒にいるラングドンがやけに体格がよく見えてしまった。

細かな部分は原作を読んでいれば十分問題ないのだが、映画のみだとその奥深さを感じることができないかもしれない。人が一人死ぬのにもそれなりにいろいろな葛藤と殺し方にも工夫がされていたのだがそれらは一切省略されていたので、原作を未読の人は感じることができないのだろう。

ラストは原作と映画で微妙な違いがあった。キリスト教にそれほど深い知識のない日本人にとっては聖杯やキリストの秘密がどれほどの重みがあるのかわからない。国によっては
上映禁止になるほど衝撃的なはずだが、僕にはそれほどインパクトはなかった。ある意味映画のラストのほうが分かりやすく万人受けすると思った。

キリスト教の歴史を勉強してから見ればさらに楽しめるだろう。



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