2009.2.1 強すぎるガンダム 【機動戦士ガンダムUC 5】
■ヒトコト感想
初代ガンダムから引き継がれた定番ともいえるエピソードがある。それは大気圏に突入し地球へ降り立つというイベントなのだが、本作でもしっかりと引き継がれてる。大気圏へ突入するギリギリまで戦うガンダム。戦艦へ戻らなければ大気圏突入の摩擦熱で溶けてしまうというギリギリの状態から、新型機は大気圏を突破できる能力を持ち合わせている。定番的だが、この流れは心地よい。「ラプラスの箱」の秘密もおぼろげながら明らかとなってきた本作。連邦軍を根底から覆すような箱とはいったい何なのだろうか。ユニコーンガンダムがNT-Dモードへ変化するきっかけや、そのときの無敵具合。フル・フロンタルでさせ互角以上にわたりあえない力を示すユニコーンに今後さらなる進化があるのだろうか。
■ストーリー
ユニコーンガンダムが導く座標でバナージを待っていたのは、かつての首相官邸「ラプラス」だった。そこでバナージを待つものとは!?
■感想
なにやら政治的匂いが強い本作。かつての首相官邸が「ラプラス」というからには、「ラプラスの箱」は何か首相官邸に関係あるに違いない。突然首相の演説がユニコーンガンダムから流れたりと、秘密づくめのユニコーンが今後どのような変化をとげていくのか。単純に戦いだけでは済まされない流れを感じてしまう。ライバル的キャラが登場し、フル・フロンタルとの力の差がだんだんと縮まっていく。そんな展開を予想していたが、違ったようだ。すでにこの段階で、覚醒したユニコーンにはフル・フロンタルでさえ敵わない。無敵すぎるのもどうかと思うが…。
ユニコーンガンダムの秘密が、何か超常現象的なものだと思ったのが前巻。しかし、本作では呪い的なものではなく、意図した何かが組み込まれているような雰囲気はしてきた。ガンダムが箱の鍵となる。連邦と袖付きという巨大な戦力差さえも、ひっくり返すような力が箱にはあるといわれているが、どのようなものなのだろうか。ここまで大風呂敷を広げてしまうと、それに見合うだけの結果を期待してしまう。まさか、”昔に起きた首相官邸爆破テロの真相”なんていうお粗末な情報でお茶を濁すことはないと思うが、どうなのだろうか。
覚醒時に圧倒的な力を示すユニコーンに、今後どのような危機がおとずれるのだろうか。覚醒するまでがピンチで覚醒してしまえば無敵。それではまるで水戸黄門の印篭ではないか。本作に限ってはそんな都合の良いパターンはないと思うが、今後、成長する必要性がなくなったため(フル・フロンタルでさえ太刀打ちできないほど強くなる)、バナージのニュータイプとしての位置づけがどうなるのか、予想がつかない。他にも、地球に降りたったミネバやリディ、バナージのクラスメイトなど、まだまだ広がる余地はあるのだろう。
アニメ的には不向きな、政治的色合いの強い作品になりそうだ。
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