ファンボーイズ


 2010.9.10  スターウォーズファンはホロリとくる? 【ファンボーイズ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
スターウォーズのファンは確かに熱狂的なイメージがある。エピソード1が上映されるまでカウントダウンするなど、まったく共感できないが、それら狂信的なファンたちの暴走が描かれている。ファンたちにとって、新シリーズは待ちに待ったものなのだろう。余命わずかな仲間が死ぬ前に、エピソード1を見たいからといって、フィルムを盗みに向かうのはあまりにぶっ飛んでいる。しかし、本作はそれが許される雰囲気をしっかりと作り上げている。前半にどれだけスターウォーズに狂っているかが描かれ、後半はちょっとしたロードムービー的雰囲気すらある。コメディとして楽しめたが、生粋のスターウォーズファンならば、感動してむせび泣いたのだろうか。

■ストーリー

「スター・ウォーズ」シリーズへの愛が詰まったオマージュコメディ。98年、余命わずかな仲間が「死ぬ前にエピソード1を観たい」と言ったことから、完成フィルムを盗み出すことを計画するエリックたち。しかし、その行く手にはさまざまな困難が…。

■感想
スターウォーズの熱烈なファンというのはある意味恐ろしい。コメディとして描かれているが、よく考えればすさまじい。すべての人生をスターウォーズにささげたといっても良い人々。どの世界にも極めたオタクというのは存在すると思うが、スターウォーズオタクは最も強烈な部類に入るだろう。長い伝統があり、関連書籍や情報が溢れている。それだけに、マニアたちはその知識を蓄えるために必死になるのだろう。ファンボーイズたちの突っ込んだバカバカしさは、物語をライトなものにしているが、かなり深刻な物語なはずだ。

スターウォーズファンとスタートレックのファンが対立関係にあるというのは初耳だった。トレッキーと呼ばれ怒るスタートレックファン。ハンソロはチキンだと言われて怒り狂うスターウォーズファン。はたから見れば、くだらないことこの上ないが、本人たちはいたって真剣だ。この真剣具合と、ファンボーイズたちのズレた情熱というのが変な面白さをかもし出している。スターウォーズファンでなくとも、男たちのハチャメチャ具合を見て楽しむべきだろう。

ガンで余命わずかな友達のために、エピソード1のフィルムを盗みに行く。コメディでなければ、ちょっとホロリとするシーンかもしれない。仲間たちは上映されるエピソード1をいずれ見ることができる。しかし、自分は…。強烈なスターウォーズファンであればあるほど、ホロリとくるシーンかもしれない。ラストに、一人でフィルムを見る場面は、あまりに悲しすぎると思えて仕方がなかった。周りにファンボーイズたちが居てこそのスターウォーズではないのだろうか。

はちゃめちゃコメディではあるが、変な余韻が残る。



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