ダークナイト


 2008.8.29  シリーズ最高傑作だ 【ダークナイト】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
クリストファー・ノーラン監督のバットマン。前作もそうだが、ものすごくダークだ。今回は明らかにバットマンよりもジョーカーの方がキャラ立ちしているし、その周りのキャラクターたちも秀逸だ。特に”光の騎士”と言われるデントがすばらしい。この三人がメインの本作。どんでん返しのまたさらにどんでん返しが続くように、ひたすら最後は驚きの連続かもしれない。今までのバットマンシリーズと比べると、ものすごくよくできている最高傑作のように思えた。やはり、主人公の魅力はもちろんのこと、そのライバル的キャラクターの良し悪しが作品にものすごく影響するということがわかった。勧善懲悪ではなく、何かをするためには、かならず犠牲が必要だ。バットマンというキャラクターにぴったりの本作だろう。

■ストーリー

ゴッサム・シティーに現れた最悪の犯罪者ジョーカー彼は、マフィアたちに成り代わってバットマンを追い込む“ゲーム”を開始。それは「バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す」という卑劣なルールで、戦いの中ゴードン警部補も凶弾に倒れてしまう。ブルースは遂にバットマンの正体を明かすことを決意。記者会見に登場しようとするが、それを制したのは新任検事で“光の騎士”と慕われるデントの意外な行動だった……。

■感想
ジョーカーの神出鬼没具合とその圧倒的な存在感。あちこちに罠を張り巡らせ、警察とバットマンを手玉にとっていく。このキャラクターの雰囲気はまるでSAWのジグソーのようだ。見た目的にもインパクトがあるのはもちろんのこと、観客を恐怖に陥れるようなしゃべりも特筆すべきものだろう。この強烈なジョーカーがあってこそ、バットマンが輝き、光の騎士であるデントが活きてくる。ジョーカーに負けず劣らずなのがデントなのだが、最初と最後の印象がこれほど変わるキャラクターも珍しい。最初はただのかっこつけかと思っていた。

クリストファー・ノーラン監督の作品はメメントといいインソムニアといい自分の中では好みの作品なのだが、本作も間違いはなかった。シリーズものでは久しぶりにヒットした作品かもしれない。単純なストーリーではなく、何が正しいことなのか、そして誰が裏で糸を引いているのか、どんでん返しの繰り返しで、後半の怒涛の展開は気が休まることがなかった。ジョーカーの異常さと、バットマンの精錬さ、その対比も効果的で、悩むバットマンというのも久しぶりに見たかもしれない。

出演陣も豪華でありながら、ストーリーもすばらしく、最後の怒涛の展開からは目を離すことができない。これほどの作品なのに、世間的には某ジブリアニメには勝てない。エンターテイメント的にすぐれているのに、バットマンというだけで拒否反応を示す人もいる。この手のアメコミ作品が原作のものには、好き嫌いがあるのはしょうがないが、一度は食わず嫌いを解消してもよいだろう。どちらかというと自分の中ではアメコミ系はあまり評価していないのだが、この作品だけは認識を新たにした。

素材は同じでも監督が違えばシリーズとして新鮮なものになるということがよくわかった。



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