20世紀少年 最終章 ぼくらの旗


 2010.9.27  終わり良ければすべて良し 【20世紀少年 最終章 ぼくらの旗】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
2章までを見た感覚では、原作マンガそのままだという印象だった。最終章にあたる部分は、マンガでは未読なのでその違いははっきりわからない。本作の目的というのは、もはや”ともだち”の正体しかない。物語の方向性は決まっており、結末もだいたい想像できる。ケンジが復活し、ともだちの陰謀を阻止するのだろうというわかりやすい展開を想像し、実際にそのとおりになった。あとは”ともだち”の正体にしか興味はわいてこない。で、結末だが、予想以上によかった。安易な展開かもしれないが、ともだちの正体が誰なのかで評価は大きく分かれるような気がした。自分の中ではこのオチは良いと思う。特にテレビ版だけのラストというエンドロール後の物語が格段によかった。

■ストーリー

“ともだち”復活から2年後の“ともだち暦3年”(西暦2017年)。「世界大統領」として君臨する“ともだち”は「8月20日、人類は宇宙人に滅ぼされる。私を信じるものだけが救われる」と説いていた。一方、“ともだち”の追手から逃れ、身を潜めているかつての仲間たち―オッチョ、カンナ、ユキジ、ヨシツネ、マルオ、ケロヨン―はそれぞれのやり方で、闘いを続けていた。

■感想
”ともだち”の正体が誰なのか。物語の方向性はほとんど決まっており、ケンジの復活と、ともだちの陰謀の阻止というのはもはや規定路線だろう。物語はそのとおりになり、安定したというか、ありきたりで予想どうりな展開となる。まぁ、このあたりに特別な印象はない。大きく広げた風呂敷をたたむのはそれなりに苦労するだろうし、強引さは否めない。原作マンガでは読んでいない部分なので、新鮮であったのは確かかもしれない。いちいち登場するキャラクターが実写でありながら、マンガ風なのは前回と同様なのだが。

ともだちの正体は誰なのか。おそらく誰も想像しない人物なのは確かだ。ただ、エンドロールまでのオチであったら、インパクトは弱い。あー、そう、という感想で終わってしまう。本作はエンドロールの後に続く物語こそが重要だ。ともだちの正体が誰なのか。はっきりと物語としてのオチだけでなく、この壮大な事件の起こった原因にまで言及している。第一章から隅々まで見ていた人であっても、予想できないオチだったのは確かだ。終わり良ければすべて良しというように、最後にインパクトがあると、すべてが優れているように思えるから不思議だ。

映画のオチがこうなると、原作のオチも気になる。デスノートは、個人的にはマンガ版よりも映画版のオチの方がすぐれていると思ったので、本作がそうであっても特別驚くことはない。強烈なインパクトを残すことは確かで、それまでのマンガ的な荒唐無稽さを吹き飛ばす力がある。細かな部分には気になることも多々あるが、それらにすべて目を瞑り、恐らく今50代、60代くらいの世代が見ると、ノスタルジックな気分も含めて楽しめるのではないだろうか。

終わり良ければすべて良しというのは、本作のためにある言葉なのかもしれない。



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