しのぶセンセにサヨナラ-浪花少年探偵団・独立編 東野圭吾


2005.7.31 20年前でも違和感なし 【しのぶセンセにサヨナラ-浪花少年探偵団・独立編】

                     
■ヒトコト感想
読み終わって驚いたのだが、本作が書かれたのは約20年前らしい。
前作もそうだが本作も今読んでも全然違和感なく楽しく読める。
時代を感じさせる描写があまりなかったというのもあるが、やはりこれは作者の力なのだろう。
基本は前回と同様だが、しのぶセンセが微妙におしとやかになり?
教え子達もパワーアップしている。
相変わらず関西弁の掛け合いは面白い

■ストーリー
竹内しのぶ、25歳、独身。大阪大路小学校の教諭だが兵庫の大学へ内地留学中。
あれから三年、浪花のヘプバーンこと、しのぶセンセがさらにパワーアップして帰ってきた。
もう誰にも止められない!?抱腹絶倒、でもチョッピリ切ない物語。

■感想
内地留学ということで厳密には教師ではないので新たな教え子達が現れるわけではなく
前回と同じメンバーなので、よけいな人物紹介が少なくてよい。
相変わらず二人の男から求婚されているのだが、そのへんの印象で
おしとやかに感じたのだろうか??しのぶセンセはやるべきところでは、
元教え子達と激しいバトルを繰り返しているのに・・・。

ミステリー小説らしい事件も起きるのだが、陰惨な事件ではなく全てが
どこかホロリとさせるような事件ばかりだ。
しのぶセンセに惚れている新藤刑事がいるおかげでミステリーがなりたっているのだが、
もし刑事と知り合いではなかったら、かなりはた迷惑な公務執行妨害
しのぶセンセは繰り返している。これは作者の名探偵の掟でも言われていることだが。

すべての短編を通して常にしのぶセンセの結婚問題が話題に上がっているが
これがちょっと納得できないというか、片や東京で働くエリート会社員の本間と
大阪で刑事をしている新藤、この二人に言い寄られながら煮え切らない態度を見せている
しのぶにちょっとあり得ない印象を受けた。
待つ方も待つほうだが、待たせる方もどうなんだろう??
あっさりつき合ったりしてしまったらそれこそ物語が成り立たないからだろうが・・・。
それを分かっていながらもあえて突っ込みたかった。

本作のシリーズはどうやら完結したようだが、終わり方からしたら
まだまだ続けようと思えば続けられる終わり方だったので、20年後の今、
スターウォーズのように急遽、続編が作られるかもしれない。




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