龍時02-03 


2006.10.22 未来の日本代表へ 【龍時02-03】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
前回が一人の少年の成長物語ならば、今回はスペインという地でサッカーをするということがどうゆうことか、そして国民全体のサッカーに対する思いを感じるような作品だ。サッカーというスポーツが過酷だということはわかる、しかし本作を読むことでよりそれがはっきりした。試合の過酷さと終わった後の消耗度。想像以上に厳しいスポーツであり、本作の龍時はまさに命を削る思いでプレイしているのであろう。スペインという国でのサッカーがしめる位置、そしてそこでプレイする異国人としての行動も非常に興味深いものがある。

■ストーリー

日本のサッカーに限界を感じ、16歳で単身スペインに渡ったリュウジは、様々な困難にぶつかりつつプロ1年目を終え、ベティスにレンタル移籍。フラメンコで有名なアンダルシア地方セビリアの地に舞台を移し、強豪チームと熱き戦いを繰り広げるほか、危険なダービーマッチにも挑む。新たな恋の行方にも注目。

■感想
まずわかってはいたことだが、スペインと日本のサッカーに対する温度差だ。日本でも多少サッカー人気が盛り返したと言われているが、スペインの比ではないだろう。まるで娯楽はサッカーしかないような。ちょうどマグロ漁船に突如として現れた遊び道具のように国中の男達がサッカーに熱中しているのだろう。そんな国で異国の少年がサッカーをプレイするという難しさ。しかし言葉の通じない国での不安感もあるはずなのに、本作では一切そのような描写はされていない。龍時というキャラクターはプレイスタイルのとおり自我を貫く日本には珍しいタイプだからだろう。

日本代表のプレイを見ると、たまに実力はあるはずの者が精彩を欠く動きをすることがある。その時はもっとがんばれよという気持ちで見ていたが、本作を読むと体調にも大きく影響するということがわかった。サッカーという過酷なスポーツは一試合フル出場するだけで相当の疲労が貯まる。それは一日二日休んで回復するものではない。わかっていながらも龍時が同じような状況になったり、調子によって大きくプレイスタイルが変化するのを見るとその状況は理解できた。

スペインの地で、若干17歳にして成功した龍時。こんな人物が今に現実にも現れることを願う人は多いだろう。恐らく遠くない未来に現れるのだろう。それはキャプテン翼を読んでサッカーをやり始めるように、本作を読んでサッカーに憧れ、そしてスペインに憧れ一人スペインへ旅立つような少年がでてくれば本作の功績はとてつもなく大きいのだろう。そうなる可能性を秘めていると思う。

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