リバウンド


2006.11.26 個性的すぎる選手たち 【リバウンド】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
ロンゲスト・ヤードに通じる目的達成物。舞台が中学校でスポーツがバスケというだけで基本は変わらない。ただどれだけ最後に感動できるかはその目的の大きさと途中で発生する障害の大きさに比例すると思う。本作はチーム自体が弱いというのが一番の障害で、それを如何にして克服するかがポイントとなっている。コーチであるロイのさまざまな策略や、気持ちの変化。多少不純な動機が含まれているとはいえ、ロイの心の変化が一番チームを変えたのだと思う。お決まりのように最後は感動させようとするのだが涙が流れる感動ではなく、非常にすっきりと、泣くことはないが後味の良い終わり方だ。

■ストーリー

ロイは、有名大学のバスケットボール・ヘッドコーチで、スポーツ番組でも取り上げられる程の人気だ。メディアが彼を取り上げるのには、その大きな態度にも理由があった。だがその態度のせいで、大学はロイを解雇した。お金に目が無いロイのエージェントは、大学のヘッドコーチに戻る為に良い印象を与えようと、ロイの通っていた中学校でのコーチを進める。ところが、中学校はロイが居た頃とはうって変わって、弱小チームで試合に勝った事がなかった。バスケットへの情熱を失っていたロイだったが……

■感想
弱小チームが試合に勝てなければどうなる、とかいう危機感や親がチームに否定的だとかいうのは一切ない。みなチームに協力的でなんとかチームに勝利の味を味合わせてあげようと協力する。そんな環境のなかでロイが直面した障害はすべて選手に関わることだ。本作は選手一人ひとりに焦点が当てられており、新たに加入する超個性的な選手や、チーム一の実力がありながら自己中な選手など。それらをロイ独特の言い回しで巧みに懐柔していく姿は、現実のチームスポーツで指導する立場にある人にも少しは参考になるのかもしれない。

しかし気になったのは、ロイがどうみても
バスケがうまいようには見えないということだ。バスケ選手といえば背が高くてでかいイメージがあるが、本作のロイは非常にこじんまりしている。中学生と並んでもそれほど大きな違いを感じないほどだ。ロイのなんともいえないキャラクターと子供達のやる気があるのかないのかわからないだらだらとした雰囲気。この年代であれば指導者が変れば劇的な変化をすることもあるだろうが、最後に優勝までいってしまうのはやはりハリウッド映画的だった。

最終的に感動のフィナーレを迎えるのだが、それほど大きな感動ではない。それは障害の大きさと物語の深刻さだと思う。ある程度子供達が真剣に頑張り結果がでたということで感動するのだが、そこに鳥肌が立つほどの感動はない。スクール・オブ・ロックのような感動は数々の障害を乗り越え、さらに圧倒的不利な状況であってもあきらめずにやり通した結果に訪れると思う。

ロイの半分コメディなキャラクターで多少の差別化は図られてはいるが、まあ良くある感動物かもしれない。しかし、出てくる中学生達のキャラクターが濃いのには驚かされる。



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