菅政権と米中危機 


 2026.9.17      中国とアメリカの強引さがよくわかる 【菅政権と米中危機】


                     
【中古】 菅政権と米中危機 「大中華圏」と「日米豪印同盟」のはざまで 中公新書ラクレ710/手嶋龍一(著者),佐藤優(著者)
評価:3
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■ヒトコト感想
安倍政権が終わり、菅政権に代わるタイミングの対談だ。これまでの流れを継続する形で、世界の情勢と菅政権のいくすえを語っている。ちょうどコロナ渦の時期であり、まだコロナが世界的にどうなるのかわかっていない時期の対談だ。習近平の中国とトランプ、バイデンのアメリカ。日本は中国寄りになるのか。それともアメリカとの関係を深めていくのか。

ちょうど台湾有事の小説でもある「チップス」を読んだので、実際の台湾有事が起きる可能性についての対談は非常に興味深い。安倍政権の資産を引き継ぐ形で菅政権が誕生し、東アジアの安定を作り出すことができるのか。外交的には安倍元首相はかなり各国の首脳と良い関係を築いていたというのがわかる。

■ストーリー
菅新政権の外交マシーンが動き出した。烈しい米大統領選を経て米国の対中姿勢は、一段と厳しさを増している。菅政権は、日米同盟を基軸に据えて、「習近平の中国」と対話をと目論んでいる。だが、北京は安倍政権のキングメーカーにして対中宥和派、二階俊博幹事長を通じて日米同盟に楔を打ち込もうと布石を打ちつつある。菅総理は、安倍辞任の空白を埋めて、緊迫の東アジアに戦略上の安定を創りだせるのか。知られざる「菅機関」の内実を明らかにしつつ、菅政権の前途に立ちはだかる懸案を読み解いていく。

■感想
コロナ渦の中で菅新政権が誕生した。最長政権であった安倍政権から資産を引き継いだ形なのだが…。作中では中国、アメリカ、ロシアとの関係について描かれている。習近平、プーチン、トランプと各国の国家元首との関係が非常に安倍元首相はよかったというのが強く印象に残っている。

特にトランプについては、他の国の首相たちがトランプの取り扱いを安倍総理に聞くというような位置づけとなっている。各国との関係を深めるのは非常に重要なことだが、その面ではかなり安倍元首相は優れていたということがわかる。

中国とアメリカの板挟みとなる日本という形は簡単に想像できる。日米同盟を強化するのは当然として、中国との関係をどうしていくのか。尖閣問題もそうだが、中国がそもそも覇権を手に入れるために様々な国と領土問題を起こしている。これは中国の戦略らしい。

相手が反論してこなければどんどん押し込んでくる。そして、相手の強い反発と諸外国からの非難がでて初めて手をだすのを止める。ここまでやるのが当たり前の国と外交で交渉するのは非常にタフなミッションだと思えた。

佐藤優がロシアの専門家なので、当然ロシアと日本の話題となる。ここでも安倍元総理がプーチンと何十回も面会をしてきたが、北方領土の返還にはいたっていない。それはなぜかというと…。ロシアと日本の国交が今の状態で断絶されていたのなら、進展はある。

これが、今の状態でもロシアは何も問題がないと考えているので、ここから交渉で国交を深める必要性を感じないということらしい。今のままでよいのなら、あえて交渉材料である北方領土を差し出す必要はないということだ。

非常に世界情勢がよくわかる対談だ。



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