チップス 上 


 2026.9.15      台湾の半導体が米中から狙われる 【チップス 上】


                     
チップス(上) ハゲタカ6 [ 真山仁 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
ハゲタカシリーズ第6弾。世界最大の半導体受託製造会社であるTSMCをモデルとしたFSCが舞台となる。半導体が今後のIT技術製品の中核となるのは確実で、アメリカと中国がFSCをめぐる争いをひそかに繰り広げている。そんな企業に対して、創業者から堀経由で鷲頭に依頼が入るのだが…。鷲頭が世界最大の半導体製造会社を買収するのか。FSCを助けるための買収を実行するのかどうなのか。

FSCの創業者の死をきっかけとして米中の動きが加速する。鷲頭の提案を創業者の弟子でもある男が拒否し、嫌悪感を示す。鷲頭の買収でのヒリつく争いというよりも、FSCに手を出すのか見捨てるのかを悩む鷲頭とFSCの周辺のゴタゴタが上巻では描かれている。

■ストーリー
舞台は台湾、テーマはいま最もホットな「台湾有事」と「半導体覇権」。微細な半導体製造で世界一の技術を誇る台湾企業をめぐり、米国と中国が触手を伸ばす。そして、半導体産業の復活を狙う日本。ぶつかり合う大国の思惑に巻き込まれた鷲津政彦は、この難題をどう解くのか。

■感想
世界最大の半導体製造メーカーはその存在自体が米中の綱引きの材料となる。FSCが半導体を作らないと決定した瞬間に、世界のIT技術に大打撃が起きる。お互いに相手にFSCを渡すくらいなら破壊してしまえ、くらい勢いがある。

中国はFSCがアメリカの手に渡ると判明した瞬間に、台湾でしか作れない最新の微細半導体の製造工場に戦闘機をつっこませる可能性すらある。上巻の段階では、どこまでの危機を想定して鷲頭に助けを求められたのかの真相は描かれていない。

創業者は自分の死のあとにくる騒動を予想している。そして、何もしなければFSCが危機に直面するということなのだろう。タイミング悪く台湾に大地震が起こり、周辺が騒がしくなる。これをきっかけとして中国とアメリカが株でFSCを潰そうとしてくる。

それを助けるのは鷲頭なのだが…。ホワイトナイトとしての鷲頭が不要だという男が存在し、FSCの防衛策は完璧だということになっている。超巨大企業であっても鷲頭に買えないものはない、ということなのだろう。

創業者亡き後、跡を継ぐはずの社長は中国にとりこまれ、CEOはアメリカに取り込まれている可能性がある。FSC内部がボロボロの状態で創業者と共にいた男が奔走する。鷲頭の助けを決して求めようとしない男。

株の防衛は万全だということと、創業者の遺言で過半数の株は親族と仲間たちと共にあるということで、企業の乗っ取りはないと安心しているのだが…。何かしら裏があるのは間違いないだろう。鷲頭が何を気にして助けの手を差し伸べているのかは現段階では不明だ。

下巻の流れが楽しみだ。



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