ストロベリーナイト (光文社文庫 ほー4-1) [ 誉田哲也 ]
評価:3.5
■ヒトコト感想
警視庁捜査一課の姫川玲子が主人公のミステリー。どうやらシリーズ化されており、連続ドラマや映画化もされているらしい。ビニールシートに包まれた男性の遺体が発見された。事件を調査する玲子は年齢的には若くして出世したため、周りとの関係に悩んでいる。キャラ立ちしているのと、事件の陰惨さが強烈に印象に残っている。
特に事件の根幹にあるストロベリーナイトというイベントは強烈だ。いわゆる殺人ショーなのだが、ショーの観衆は、次のタイミングでは自分が被害者となる可能性がある。すさまじく恐ろしいいイベントではあるが、刺激に飢えた成功者に、生きる喜びを感じさせる何かがあるのかもしれない。事件の真相にたどり着くまでのヒリ付く展開がすばらしい。
■ストーリー
溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された! 警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは? クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。超人気・姫川シリーズ第一作。
■感想
植え込みから発見されたビニールシートに包まれた男の死体。何が起きてこのような死体になるのか不明のまま、捜査は進められるのだが…。玲子の直観による捜査が冴えわたる。玲子が試験ができるために早々と出世し、年上の部下をもつ苦悩も描かれている。
どのようにして捜査を円滑にすすめるのか。玲子に振り回される上司の存在もあるのだが。そこから玲子の勘どおり、ため池で同じくブルーシートに包まれた死体が発見されることになる。この時点では凄惨な死体の理由はまったくわからない状態で物語は進んでいる。
中盤からネット上に登場してくるストロベリーナイトという言葉がキーワードとなる。このあたり、作者の別作品でもある「アクセス」に近い雰囲気かもしれない。ネット上に突然現れた謎のサイトとストロベリーナイトというイベント。
招待された者は、信じられないほど残虐な殺害ショーを見ることができる。恐ろしいのは、そのショーを見ていた者たちは、次回のショーでは犠牲者になる可能性があるということだ。それを知りながらショーの魅力に勝てずに、ショーに参加する。まさに異常な状態だ。
特殊なハッカーを使ってストロベリーナイトの参加者を割り出そうとする。このあたりは、作者のIT系の知識が深いというのがわかる。そこから、真犯人が判明するくだりと、非常に危険な人物が黒幕だということが物語のピークかもしれない。
玲子の同僚で気難しく玲子を目の敵にするガンテツの存在や、頼りになる部下。そして…。様々な人間関係と手柄を立てるために必死となる刑事たちの動きが非常に臨場感にあふれていてよい。事件の異常さを除けば、横山秀夫作品に雰囲気は近いかもしれない。
キャラ立ちしたシリーズだ。