戦争と有事 


 2025.8.25      世界の戦争の裏側がわかる 【戦争と有事】


                     
佐藤優の特別講義 戦争と有事 ウクライナ戦争、ガザ戦争、台湾危機の深層 (学び直しの時間) [ 佐藤優 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
佐藤優の時事分析。非常に勉強になった。現在、世界で起きている戦争はどのような理由で発生したのか。ウクライナとロシアの戦争は、日本ではロシアが全面的に悪いというような流れとなっているのだが、実際には、戦争に至るまでに様々な要因があったとわかる。本作を読むと、ウクライナのイメージが変わり、ロシアが戦争に踏み出さずにはいられない事情もよく分かった。

何もしない状態であればNATOに侵食され、最終的にはロシア自身が苦境に立たされることになっていたのだろう。その他、イスラエルとガザ地区の問題なども報道で知るだけの知識から、その内部の深いところまで知ることができた。非常に勉強になった。

■ストーリー
人は、国家は、なぜ殺し合うのか? 宗教による対立、民族間の紛争、領土の奪い合い……。憎しみと復讐の連鎖に終わりはあるのか? ウクライナ、ガザ、そして世界の各地で今も続けられている凄惨な戦闘は、膨大な数の被害者と甚大な破壊をもたらし、この現代世界をとてつもない混迷に導こうとしている。ニュースだけではわからない世界と日本を覆う危機の深層を、今、知の巨人・佐藤優が語り明かす!

■感想
今現在、実は第三次世界大戦は始まっていると言われている。ウクライナとロシアの戦争は、当初は短い期間で終わると思われていたが、長い間続いている。イスラエルとガザの関係や、台湾有事など、ニュースでは、それなりに話題にはなっているが、実は様々な要因があったということがわかる。

ウクライナとロシアの戦争はまさに典型的なパターンだ。戦争をしかけたロシアが悪でウクライナは正義だという流れとなっている。本作を読んで、ウクライナのゼレンスキー大統領の責任はかなり重いということがわかった。

歴史的に見ても、ロシアは戦争を起こさざるお得ない状況に追い込まれていたらしい。ゼレンスキーは自分たちが生き残るためには、戦争を長引かせて世界大戦にまで拡大するしかないということだ。ロシアもウクライナも後には引けない状況となっている。

作者の解説を読むと、ゼレンスキーは破れかぶれになっているような気がした。ひとりの大統領の決断で戦争が長引いているというのは、非常にウクライナ国民にとっては不幸なことかもしれないが、これが現実なのだろう。

イスラエルとガザ地区の戦いについても、ユダヤ人の歴史的な状況を考えれば当然のことなのかもしれない。巨大な軍事力でパレスチナを攻撃しているだけのように見えるイスラエルにも、しっかりとした理由があった。

ユダヤ人は世界から同情されて人種が滅びるよりも、自分たちの存在を主張するために戦うことを選んだということなのだろう。中国が台湾に進行した場合、アメリカはどうでるのか。日本はアメリカに守られたままでは危険だということも語られている。

世界の戦争の裏側がわかる作品だ。



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