猿 


 2026.8.23      必要以上に猿を怖がる男 【猿】


                     
猿 [ 京極夏彦 ]
評価:2
京極夏彦おすすめランキング
■ヒトコト感想
タイトルが非常にシンプルに「猿」なので、どのような作品かと思ったのだが…。序盤で猿のことを必要以上に恐れる男が登場してくる。その妻である女は、自分の曾祖母の遺産が入るということで、山奥の祢山という地域に向かうことになる。人里離れた閉鎖的な祢山村はどのような場所なのか。曾祖母しかその村の住人はおらず、他の村人たちと思っていた人たちは、すべて曾祖母にやとわれているような形だとわかる。

曾祖母を代々担当してきた弁護士家系の山川が、相続人である祐美と従妹の芽衣を連れて祢山村に向かう。ここで、祢山村でのラストがなんだかよくわからないままで終わっている。非常に消化不良の感じがするのは間違いない。

■ストーリー
いけませんよ。外に出ては――怖いですから「猿がいる」と言い出した同居人。かすかに感じる、妙な気配。曾祖母の遺産相続。胸に湧き上がる不安。岡山県山中の限界集落。よく判らない違和感――。ただの錯覚だ。そんなことは起こるはずがない。だが――。怖さ、恐ろしさの本質を抉りだす、瞠目の長編小説。

■感想
序盤は祐美と夫であるタカアキの物語からスタートする。タカアキが猿の気配におびえて怖がる描写が続いていく。なぜ都会のど真ん中で猿なのか謎なのだが…。メンタルの問題で仕事を休んでいるタカアキが何もかも自暴自棄になっているのは間違いない。

そこから、タカアキに影響されて祐美自身も猿の気配を感じるようになるのだが…。祢山村に山川に連れられて行くことになる。その道中で山川から曾祖母の秘密を教えられることになる。昔からの風習で祢山村に住んでいるのは曾祖母だけで、あとは使用人というのはとんでもない村なのだろう。

元々住んでいた村から逃げ出した者たちが集まる祢山村。死にそうになると祢山村からは出ていき、自分の村に戻る。曾祖母だけが一生そこに住み続ける。そんな曾祖母が死んだことから、親類である祐美と芽衣は遺産相続の話をしに祢山村に向かうことになる。

この奇妙な村の秘密は、村について明らかとなる。人里離れた場所にある、妙な風習がある村。そこでは、恐怖が待っていた。具体的に何が恐ろしいのかわからないが曾祖母が死んだ後で、祢山村では村人たちは常に恐ろしいと感じる状態となる。

村に入った祐美と芽衣は、夜をその村ですごすことになるのだが…。芽衣が恐怖で震え始める。幽霊がいるわけでもなく、心霊スポットでもない。それでも恐ろしく、村人たちは恐怖で叫び始めてしまう。曾祖母がいたら、恐怖は収まるようだ。という、なんとも奇妙な状態ではあるが、祐美だけは恐怖を感じることはない。

結局、猿とは何を表しているのか、ということへの答えはない。村人たちが必要以上に恐怖を感じる理由についても説明はない。

すべてが、説明がないまま終わっている。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
*yahoo.co.jp