アウトサイダー 上 


 2025.11.6      鉄壁なアリバイのある男が少年殺害犯? 【アウトサイダー 上】


                     
アウトサイダー 上 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
ある田舎町で、フランク・ピータースンという少年が惨殺された。数々の目撃証言と指紋やDNAからテリーという少年野球のコーチが容疑者として浮かび上がったのだが…。序盤からミステリアスな展開が続いていく。野球の試合の真っただ中でテリーを逮捕するという暴挙にでた刑事のラルフ。テリーにはその時期、別の場所で講演会を聞いていたという強固なアリバイがあった。

同じ時間帯に別の場所で同一人物が存在したことになる。この不可能犯罪についてどのような決着をつけるのか。中盤までは何かしらテリーが偽のアリバイ作りのために仕掛けをしたのかと思っていたのだが…。終盤にテリーが暴漢に襲われたことで、がぜんテリーの無罪な雰囲気が強くなっている。謎な展開だ。

■ストーリー
完璧な証拠で逮捕された少年惨殺事件の犯人。しかし彼には鉄壁のアリバイがあって──。事件の裏に隠れた恐ろしい存在とは。平穏な町で起きた、11歳の少年の惨殺事件。ラルフたち地元警察は、複数の目撃証言を得て、高校の教師で少年野球のコーチとしても慕われるテリーを逮捕した。しかし、彼には完璧なアリバイがあることが判明する。自身の潔白を主張するテリー。一方で、異常犯罪への憎悪を募らせる遺族と住民たち。そして、町を新たな悲劇が襲う。

■感想
不可能犯罪はどのようにして実行されたのか。少年殺害現場周辺での多数の目撃証言と、証拠として残された指紋。そして現場に残されたDNAからテリーが犯人なのは間違いないとラルフは考えていた。

しかし逮捕してから、テリーには別の場所にいたというアリバイがあり、そこでテレビ放送された映像の中に、何度もテリーが登場していた。同じ時間帯に同じ人物が別の場所に存在したことになる。このミステリアスな展開に何かしら科学的なオチをつけるのだろうか?非常に気になる流れだ。

テリーは裁判所に向かう日に、フランクの兄から銃撃されてしまう。テリー自身が防弾チョッキを着ることに嫌悪感を示したことによる結果だった。強固なアリバイがある中で、不当な逮捕された挙句に、テリーは殺害されてしまった。

これによりテリーの妻のマーシーは、すべての元凶はテリーを逮捕したラルフにあると考えてしまう。被疑者死亡として終わらせるには、被疑者側としては強固なアリバイがある。ただラルフ側からしても、テリーの犯罪を立証する動かしがたい証拠がある。

後半では、あのホッジス刑事の所属したファインダーズ・キーパーズ探偵社が登場してくる。まさか、ここで登場するとは思わなかった。「任務の終わり」の流れとして、ホリーが事件の調査を行うのだろう。この部分が下巻にメインとして描かれることだろう。

超自然的な何かが事件を起こしたような流れになっている。自分的には科学的な証拠を積み上げ、どちらかが間違っているとしっかりと決着をつけてほしいのだが…。超自然的な原因は裁判では通用しないような…。

下巻が気になる流れだ。



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