教養としての「病」 [ 佐藤優 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
佐藤優が実は体中ボロボロで人工透析を行っているということに驚いた。まぁ、肥満体形であるので何かしら病気はもっていそうだったのだが…。腎臓病患者で人工透析を週に3回行っている。さらには、陰茎の癌患者であり心臓にも疾患を抱えている。将来的には妻から腎臓移植を受ける予定なのだが…。
佐藤優が腎臓病になった経緯や、その治療プロセスなどを語る。その後に、主治医である片岡医師の生い立ちや病気に対する考え方がひたすら語られるのだが…。正直、序盤の佐藤優の詳細な病気に至る流れの方が衝撃的だった。何度か危機感を感じており痩せたりもしているが、最終的には肥満により腎臓病となる。ある意味自己責任で本人もそれを自覚していることが強烈だ。
■ストーリー
「新自由主義」によって毒された日本の医療――カネさえあれば、どんな病気も治せるというのは幻想にすぎない!自分自身が腎臓病患者で人工透析を週に3回行なっている「知の巨人」佐藤優が警鐘を鳴らす――本当の医療は、医者と患者が「共同体」を作ってこそ行えると説く、その理由とは?対談の相手は、佐藤優氏の主治医である片岡浩史氏(東京女子医科大学 腎臓内科医)。片岡医師は京大法学部を出たのちにJR西日本に就職し、駅員や車掌を経験したこともあるという異色の経歴の持ち主。しかし、だからこそ「純粋理科系」の医師とは違う観点で人間を捉えることができる異色のドクターでもある。
■感想
何事も冷静に分析し客観的に見ることができるのは作者の能力かと思っていた。それが自己管理ができないことによる肥満で腎臓病になっていることに驚いた。人工透析を受けるまでに腎臓病が悪化するということは、何度も医者にその手の忠告をされていたのだが、結局は是正されなかったのだろう。
その結果として、週に3回4時間の人工透析での苦悩を語っている。人工透析を行うことにより、その後の体調不良などで仕事に支障がでる。作者が一番恐れているのは仕事ができないこと、というのが作者らしい。
何度もダイエットをしては元に戻るを繰り返す作者。そもそもはロシアでの激務が影響しているということなのだが…。それは言い訳でしかないだろう。腎臓病で人工透析を避けるために、腎臓移植を考えているのだが…。ガンが見つかってしまう。
さらには心臓病を患っている。まさに病気のデパートだ。ここまでボロボロの身体にも関わらず、ひたすら仕事をすることだけを考えている。このあたり、主治医の片岡医師とのコミュニケーションがとれているのだが…。病気になることの過酷さを感じずにはいられない。
後半は片岡医師の生い立ちからどのようにして医者になったかが語られている。京大卒の文系がJR西日本に就職し車掌として業務をした後に、医学部に入りなおして医者になる。なかなか特殊なキャリアを経験してきた人物だということがわかる。
さらには、車掌時代に様々なクレーマーたちに対応してきた経験が、実は医者になってからも役立っているというのは強烈だ。医者としての考え方は特に印象はないのだが、医者の待遇が悪いというのは、印象の通りだ。
佐藤優の身体がそこまでボロボロだということに驚いた。