クレイジーDの悪霊的失恋 -ジョジョの奇妙な冒険よりー (ジョジョの奇妙な冒険 ノベライズ) [ 上遠野浩平 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
ジョジョの奇妙な冒険で人気キャラである仗助とホルホースの競演。原作漫画では仗助が4部、ホルホースが3部であったため、絶対に交わらない二人が小説作品だからこそできる競演だ。花京院の掘り下げやDIOとの関係なども描かれている。新たなスタンドが登場し、仗助たちを苦しめる。ホルホースとボインゴのコンビが仗助やその祖父である良平と絡む。
花京院の従妹が登場したりと、オリジナルキャラを織り交ぜながら仗助の魅力がこれでもかと描かれている。未来を予見できるボインゴのマンガが最後にホロリとくる展開となる。これまでのジョジョ系小説の中でもトップクラスによくできた物語だ。3部と4部の間を埋めつつも、4部へつながる流れがすばらしい。
■ストーリー
1999年。ひとりの男がエジプトを発った。ホル・ホース……。かつて〈DIO〉の配下であり、〈皇帝〉と呼ばれたスタンド使い。現在、探偵業を営む彼の目的は、〈DIO〉が飼っていた一羽の鳥だった。ボインゴの予知が示した地・日本へ向かったホル・ホースは、ひとりの少年、東方仗助と出会うことになる――。これは、なくしたものを探し求めている者たちの物語である。
■感想
第3部でDIOが倒されてから10年後の物語だ。ホルホースやボインゴはDIOの呪縛から逃れられ、戦いで生き残っていたのはわかっていた。その後の二人がどうなったのかは原作漫画では描かれていない。そんなふたりが10年後に日本にやってくる。
仗助たちと絡む際には、過去の回想を含めながらの物語となっている。ポルナレフなどは、まさにその後の第5部へ向けての動きが描かれていたりもする。ホルホースとボインゴが日本語をペラペラなのは必然性はないのだが、まぁよいのだろう。
花京院の従妹は花京院がDIOに敗れた際の状況をトレースする形で物語にかかわってくる。花京院は表向きは家出をしてエジプトで事故死したことになっている。その秘密を花京院の従妹が解き明かそうとするのだが…。仗助たちと絡むことでスタンドにも近づいていく。
ホルホースのキャラが仗助と絡むには抜群だ。スタンド能力も拳銃というシンプルなものなので、戦いにおいては役に立たない。仗助の魅力が際立っている。4部が始まる前なのだが、魅力的な仗助がこれでもかと描かれている。
敵の存在もすばらしい。新たに動物のスタンド使いが登場し、過去を思い出す幻想を音で操るスタンド。3部での経験がある者たちにとっては強敵であることは間違いない。人見知りで内にこもりがちのボインゴが今回の経験を活かして前に進んでいく。
そして、ホルホースも長くDIOの呪縛に苦しめられていたのが、仗助と出会うことで前にすすむことになる。3部での詳細な出来事が描かれており、そこでの心境もフォローされているのが良い。
3部4部好きな人にはたまらない作品だろう。