記者と官僚 特ダネの極意、情報操作の流儀 (単行本) [ 佐藤優 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
官僚側としては佐藤優が代表し、記者側からは西村陽一が語る。それぞれがとんでもない経歴をもっており、佐藤優が逮捕拘留された際に付き合いを続けた3人のうちのひとりが西村らしい。1000人いても3人しか残らない。本人は良い方だと語るのだが…。それぞれの立場は違うがおおむね言いたいことは同じだ。強烈なインパクトがあるのはオフレコであっても、記者側が報道すべきと考えたのなら、それが記事にされてしまうということだ。
そのほか、ロシアでどのような修羅場をくぐってきたのか。あとは、30年後に公にするという法律ができたせいで、交渉の経緯を議事に残さないようになったのは強烈だ。のちに検証ができないというのはすさまじいインパクトがある。
■ストーリー
暴こうとする記者。情報操作を狙う官僚。33年の攻防を経て、互いの手の内を明かした前代未聞の「答え合わせ」。5つの罠と7つの鉄則はすべてのビジネスパーソン必読。◆記者を攪乱する手口◆報道された事実を潰す手口◆意図的な情報操作を警戒する目◆記者と官僚を待ち受ける5つの罠◆記者と官僚、7つの鉄則
■感想
何かしら人間関係の縛りはあるにせよ、人付き合いの重要性がわかる対談となっている。特に佐藤優はロシアのKGBから、いつの間にか入りこんできて人脈を作ることにたけた人物という評価をされ、政府の重要人物とは会わせない方が良いというような注意書きまでつけられたらしい。
人間関係を構築してから情報をとる。記者と官僚を比べると、官僚の方が危険な橋を渡っているという印象だ。北方領土の交渉の最中に不正をロシアの国会議員から依頼され、それを飲んでいたらもっと大変なことになっていたのだろう。
ネタ元をどれだけ信じるか。ある程度検証するにしても、信用が第一となる。そして、信用できるネタ元を見つけるためには、相手に直接会うことが重要だと語る。どうやらオーラが見えるらしい。コロナ渦でリモート打合せが主流になったとはいえ、直接会うことの重要性が語られている。
実際に佐藤優はエリツィンの死亡説がアメリカから来た際にも、正しくエリツィンは生存していると情報を得ていた。この情報が真実かウソかの裏どりの綿密さにも驚かされた。
佐藤優も西村もどちらも長い間ロシアにいたことで、様々な危険な目にあっているようだ。印象的なのは国家は強烈な暴力装置なので、いつでも人を殺すことができるという部分だ。どこまでのラインまで踏み込んだらNGかを察知する能力が必要なようだ。
官僚だけでなく営利企業でも同様。イーロン・マスクもこれから権力を得すぎると、殺される危険性があると語られている。そのほか、ジャニー喜多川の問題に対してメディアが見て見ぬふりをしたことも語られている。
インテリジェンスに関わる興味深い事柄が語られている。