インテリジェンス武器なき戦争 (幻冬舎新書) [ 手嶋龍一 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
20年近く前のものなので、時代的な変化があり今は当てはまらないかもしれないが…。インテリジェンスというのがどのようなものなのかが描かれている。印象的なのは、当時は北朝鮮が核ミサイルの実験をするか、しないかについてかなり神経質になっていた部分だ。結果としてその後に何度もミサイルの実験が行われるのだが…。
それらを交渉材料として首相の靖国参拝をだすだとか、様々なやり方があるというのが描かれている。そのほか、印象的なのは、佐藤優の対談相手である手嶋龍一が結構佐藤優に切り込んでいるという部分だ。当時の外務省と鈴木宗男+佐藤優のコンビの仲が悪く、うまく立ち回ればもっと日本の外交政策はうまくいっていたとまで語っている。
■ストーリー
東京のインテリジェンス市場は今、沸き立っている。北の独裁国家が核実験に踏み切ったのを機に、情報大国は第一級のインテリジェンス・オフィサーを日本に送りこんでいる。彼らの接触リストのトップには本書の著者名が常にある。情勢の見立てを誤ったことも、機密を漏らしたこともないからだ。極東発のインテリジェンスは対日戦略の骨格となる。武器なき戦いの幕はあがった。情報大国ニッポンの誕生に向けた驚愕のインテリジェンス入門書。
■感想
インテリジェンスの入門書というように、非常にわかりやすく描かれている。手島龍一はNHKの特派員として様々な外交関係の情報に携わってきた。佐藤優は能力がありすぎて排除された。その二人がインテリジェンスについて語る。
実は日本には世界各国の優秀なインテリジェンスオフィサーが来ているらしい。20年近く前の作品ではあるが、このあたりは現在も続いているのだろう。GDPが当時世界2位。現在でも4位程度なので経済力の強さがインテリジェンスに直結すると語られている。
今までの佐藤優の対談作品では、かなり佐藤優を持ち上げる印象があった。というか、対等に話をするのは難しいような雰囲気すらあった。それが本作では手嶋龍一は佐藤優にしっかりと切り込んでいる。
佐藤優がラスプーチンと呼ばれていた時代、もう少し外務省の上層部とうまくやっていたら日本の外交政策はもっとうまくいっていたと語る。佐藤優もそれを認めている。鈴木宗男という権力者を近くに置き、ラスプーチンとして外務省の幹部をいじめていたというのを認めているのがすごい。
20年前なので、今とは状況は変わっているのだが、日本の仕組みとして優秀なインテリジェンスオフィサーが育たない理由も語られている。武器をもつ戦争はわかりやすい。インテリジェンスでの闘いというのはわかりにくい。
最近見た「リアリティ」のようにトランプ大統領が当選したのはロシアのおかげというような情報が蔓延したのは、インテリジェンスの駆け引きがあったからだろう。インテリジェンスが非常に重要だというのが良くわかる作品だ。
佐藤優と対等に話ができている人は初めてかもしれない。