ハンガー・ゲーム0【Blu-ray】 [ フランシス・ローレンス ]
評価:3
■ヒトコト感想
「ハンガーゲーム」シリーズの前日単。シリーズ1作目の64年前という、かなり昔の物語だ。のちに独裁的な大統領となるスノーが若者らしい無鉄砲さで自らの価値を高めようとする。序盤ではスノーの一家が落ちぶれており、家を復興させるためにスノーが必死となっているのが伝わってくる。スノーが教育係となりハンガーゲームに参加する12地区の女性ルーシーが勝ち上がることを支援するスノー。
まだルールがあいまいであり、なんでもありの殺し合いとなっている。1作目のように参加者が何が起きているのかわからない状態ではなく、すべてを理解した上で参加者はお互いが殺し合いをしている。過去にテロを起こした地区の子供たちが無条件にゲームに参加させられるという、ひどい状況であることは間違いない。
■ストーリー
記念すべき第10回ハンガー・ゲームの新しい試みとして、プレイヤーの教育係に任命された 18歳の若き少年スノーは、貧しい境遇から抜け出す為、優勝を心に決める。だが、彼が担当する事になったのは、第12地区のひ弱な少女ルーシー・グレイだった。そして、彼女の唯一の武器は歌だった。
■感想
のちに絶対的な権力者となるスノーが、若いころに苦労して成り上がる物語となっている。家が没落し、エリートの仲間たちの中で、どのようにして成り上がるかを考えるスノー。ハンガーゲームの中で、ルーシーをどうやって勝たせるかを考えるスノー。
毒を持たせたり、蛇から逃げるためのハンカチを用意したりと、違反となる行為もいとわずにルーシーを勝たせようとする。ゲーム内では、まさに参加者同士の殺し合いが続いていく。参加者の中でグループを作り、そこで戦いを繰り広げる。単独で動くルーシーが最後に生き残ることになるのだが…。
ルーシーが生き残り、スノーは評価され賞金を手に入れるはずだったのだが…。不正をしたことが発覚し、スノーは地区の治安維持部隊に異動させられることになる。治安維持部隊での活動では、スノーはルーシーと再会し、そこで恋人同士となるのだが…。
スノーは将来のことを考え始め、栄転できるチャンスを生かそうとする。序盤での純粋であるが、成り上がるために必死となっていたスノーが、後半では自分のために仲間を売るような存在となっている。
スノーは幹部に気に入られ成り上がりに成功する。その過程では、親友であり首都の要職に就く父親をもつ者を、罠にはめたりもする。その結果、どれだけ重要な人物の息子であろうとあっさりと絞首刑にされてしまうのは強烈だ。若きスノーは自分の野心を隠さずに、成り上がりに必死となる。
この経験が、のちに独裁者として権力をふるうスノー大統領の姿となるのだろう。若いスノーは仲間を売り、愛する人も切り捨て、権力者に認められ、自分を陥れた者への復讐もやり遂げる。
圧倒的な存在感を示すのがスノーだ。