ハンガー・ゲーム


 2015.7.24      ゲーム的な殺し合いの世界 【ハンガー・ゲーム】

                     


■ヒトコト感想

独裁国家で12の貧困地区から男女の若者が選ばれ生き残りのサバイバルゲームが始まる。セレブと貧困という明らかなる図式が出来上がっており、貧困層はただセレブたちを楽しませるためだけに存在する。テレビの演出的には、大規模なバラエティ番組風だが、中身は明らかなる殺し合いだ。選ばれた男女たちはそれぞれキャラ付され、荒野に放たれる。

サバイバルがスタートしたからといって、すぐに目の前の武器をとりにいくと、殺し合いに巻き込まれることになる。ひとり逃げ切り、ある程度隠れ続けるのが正解なのだろうが…。それは管理者側が許さない。サバイバルのフィールドはすべて管理され、隠れ続けることができないよう、様々な妨害がある。まさにゲームの世界だ。

■ストーリー

生存確率1/24。それは最後の1人になるまで戦い続ける、究極のサバイバル!強大な権力者と絶望に支配された独裁国家を舞台に、愛する家族のために命懸けの“殺戮ゲーム”に身を投じたヒロインの勇気と成長を描く究極のサバイバル・アクション

■感想
各地区からランダムに選ばれた男女。それらが一同にかいして殺し合いをスタートする。それをセレブたちがエンターティンメントとして楽しむ。人の殺し合いを楽しむなんてのは、悪趣味以外の何物でもないのだが、見方を変えると、現代のテレビ番組でも似たようなものは多い。

やらされている方は無理やりだが、それを表面上には出さず、ひたすら生き残ることだけを考える。選ばれた男女を演出としてキャラ付し、個性をだし、物語性を強くする。まさにテレビ番組そのままの流れだ。

サバイバルでは焦った者が負けだ。徒党を組み相手を撃ち倒そうとする者や、ひっそりと隠れてライバルが殺し合うのを待つ者。ひたすら怯えている者。様々な状況にどれだけ対処できるかが生き残りのポイントだろう。作中でも、殺されるよりは衰弱死や傷が元での破傷風などで死ぬのが多いと言う。

となると、戦いに秀でるよりも、サバイバル術に長けている方が生き残る確率は高い。意図しない殺戮ではあるが、殺されなければ殺される状況に追い込まれると、人はあっさりと人を殺すことができるのだろう。

お決まり通り主人公コンビが最後まで生き残る。コンピュータで管理されたフィールドでの様々な妨害と、スポンサーに気に入られた場合にのみ、薬や食料が差し入れされるという、ちょっとした特別アイテムの存在など、まさにゲームの世界を現実に表現したような感じだ。

キャラクターを自分で操作することができないが、意志を持ち自ら動き出す。人の殺し合いを鑑賞するという悪趣味な番組だが、高視聴率も納得の流れはある。自分には害が及ばず安全な位置から人の殺し合いを見るのは、もしかしたら病みつきになるのだろうか。

ハンガーゲームというシステムが面白い。



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