変な家


 2025.8.16    原作よりも恐ろしくない【変な家】


                     
「映画版 変な家」通常版 [ 石川淳一 ]
評価:3

■ヒトコト感想
原作はすでに読んでいる。原作をそのまま映画化したような感じなのだが…。原作と同様の印象はぬぐえない。序盤の間取りが変な家であり、この家で何が起きたのかを想像するくだりは面白い。間取りから想像する流れは想像力が働き、さらには映像で補完されるので映画版としても興味深い展開となる。

本作のピークは宮江柚希が実は殺された宮江とはまったく関係のない人物だとわかる部分だろう。柚希の見た目の怪しさから恐怖感はピークとなる。ただ、その後は過去の出来事を含めて、ありきたりなホラーとなっている。まだ、原作の方が実家の怪しい間取りの恐怖はあったのだが、映像化してしまうと、ホラーの要素が強くなりすぎている。恐怖をそのまま見せられると、想像する恐怖が薄れてしまう。

■ストーリー
この家、何かが、変、ですよね? 間取りには、必ず作った人の意図が存在する。そこには、むやみに触れてはいけない人間の闇が見えることも・・・“雨男”の名前で活動する、オカルト専門の動画クリエイター・雨宮(間宮祥太朗)は、 マネージャーから、引越し予定 の一軒家の間取りが“変”だと相談を受ける。そこで雨 宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の 変人設計士・栗原さん (佐藤二朗)にこの間取りの不可解な点について意見を聞いてみることに…。

次々と浮か び上がる奇妙な“違和感”に、栗原さんはある恐ろしい仮説を導き出す…。 そんな矢先、ある死体遺棄事件が世間を騒がせる。その現場は、なんとあの【変な家】の すぐ側だった。事件と家との 関連性を疑った雨宮は、一連の疑惑を動画にして投稿する ことに。すると、動画を見た「宮江柚希」なる人物(川栄李奈)から、この家に心当たり があるという連絡が入る。

柚希と合流したことで、さらに浮上する数々の謎。そして新たな間取り図。やがて二人は、 事件の深部へと誘われていく―。 紐解かれていく間取りの謎の先に、浮かび上がる衝撃 の真実とは─。これ以上踏み込めば取り返しのつかないことになるかもしれません。 それでも、この秘 密を覗く勇気がありますか?

■感想
原作と同様の流れであり、映像化したことで恐怖をそのまま直接的に表現している。この作品の売りは間違いなく間取りの部分だろう。冒頭から変な間取りの家の内情を想像する。普通に考えると、ありえない間取りであり、それがなんのために作られた家なのか。

設計士である栗原さんを佐藤二郎が演じており、少し面白キャラを演じる時の話し方をしている。この部分でいきなり少し笑いそうになってしまった。そのほかにもクリーピーナッツのDJ松永が真面目に演技をしているのを見て笑いがこみあげてしまった。

間取りの恐怖と、そこに住む家族を想像する。そして、想像通りの被害者が発見され、被害者である宮江の奥さんという人物が雨宮を訪ねてくる。この展開がミステリアスで、変な家の中に入るのが本作の一番恐ろしい部分だ。床には何かをこすったような傷と血のようなあとがある。

全体的に汚い部屋の内部と、薄暗さ。そして無駄な廊下や二重扉。極めつけは一緒に家の中に入った柚希が実は宮江とはなんの関係のない人物だということが栗原からの電話で知る。恐ろしさのピークだ。

その後は変な家の秘密やそこに住んでいた家族の話となる。徐々に変な家に住んでいた家族の謎が解けてくる。そして、柚希の実家に向かうのだが…。実家も変な間取りであり、明らかに何かがありそうな古い家での秘密を探る。もうこのあたりになると、何かあるのは間違いなく。

ホラーの要素が強い。何かでてくるぞ、と思わせておいて、そのまま予想通り何かがでてくる。原作もそうだが、前半の恐怖感が後半は一気に醒めてしまう。

映像化してもあまり印象は変わらない。



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