蜂蜜パイ 


 2026.7.17      絵本のような超短編 【蜂蜜パイ】


                     
蜂蜜パイ [ 村上春樹 ]
評価:2
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■ヒトコト感想
どうやら過去に短編集として発表された短編を、単体として挿絵を含めて絵本風な雰囲気をしている。この独特な挿絵が物語に影響を与えているかというと、そうでもない。村上春樹独特の雰囲気は維持されており、阪神大震災をテーマとして選んでいるのが時代を感じずにはいられない。主人公の「僕」と学生時代から親友であった高槻、そしてマドンナ的な存在である尚子。

僕は尚子に恋心をいだいているが、高槻と尚子が結婚してしまうという物語だ。僕の嫉妬もありながら、前と変わらず3人で親友のように過ごす。そこで高槻と尚子が離婚し、尚子の娘への物語の読み聞かせの中で、クマが安心して暮らせる危険のない世界として蜂蜜パイの物語が登場してくる。

■ストーリー
淳平は36歳の小説家。大学時代からの親友・高槻と小夜子が結婚して娘の沙羅が生まれ、その2年後に離婚してからも4人は疑似家族のように毎週会っていた。そこに阪神淡路大震災が起こり、悪夢にうなされる沙羅に淳平は蜂蜜とり名人の熊の話を創作して聞かせる。村上春樹の名短篇とイラストを合わせた大人気アートブック第5弾。この商品に関する問題を報告する

■感想
過去に恐らく読んだことのある短編ではあるが、はるか昔のことなので、内容は覚えていないので新鮮な気持ちで読むことができた。村上春樹らしい展開がまっている。僕はじっくりと短編小説を書いて生活することを希望している。

大学の進学先についても、現実的な商学部に行くのではなく、黙って文学部に進学する。まさに作者のキャラクターとして登場してくる、淡々と小説を書く人物そのままだ。大学デビューし男2人、女1人のグループとして活動する。ここでの三角関係は定番かもしれない。

三角関係の定番として、高槻と尚子が結婚することになる。そこで友情が壊れることなく、僕と高槻夫妻との付き合いは続いていく。主人公の僕は落ち着いた状態で、着実に小説作品を出品していくのは、まさに作者自身をイメージしているようだ。

そこから、翻訳にまで手を出すというのは、作者の自伝のように思えてしまう。高槻夫婦が離婚した後には、ふたりの子供であるサラとの関係を深めたりもする。僕がどのようにして変化していくのか。強烈な変化のある物語だ。

サラへの物語の読み聞かせとして、クマが安心して暮らせる危険のない世界として蜂蜜パイの物語を語る。背景には、阪神大震災での被害をトラウマとしてサラは夜中に地震人間の夢を見るようになる。サラを落ち着かせるために行う読み聞かせ。
その後、僕と尚子が結婚するということになると、サラは幸せになれるのだろうか。村上春樹の作品では妬みや嫉みはない。ただ落ち着いたキャラクターたちの気持ちと、そこから変化していく流れがあるのみだ。

短編として読んだはずだが、まったく覚えていなかったので楽しめた。



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