藤本タツキ17-26 エピソード5,6,7,8


 2026.2.21     「妹の姉」が最高だ【藤本タツキ17-26 エピソード5,6,7,8】


                     

評価:3

■ヒトコト感想
part1から引き続きのpart2だ。エピソードごとに藤本タツキが年齢を重ねて描いた作品ではない。絵柄の違いがやはり顕著に表れている。特に前半の「人魚ラプソディ」は明らかに絵が未熟だ。恐らくは十代のころに描かれた作品なのかもしれない。「目が覚めたら女の子になっていた病」は、思いっきりコメディではあるが、キャラクターの造形が今の作者の雰囲気に似ている。

全体としても面白おかしい雰囲気が良く、うまくまとまっている。「人魚ラプソディ」以外は良い作品だと思う。人魚~はかなり微妙だ。人間と人魚の交流をえがいているのだが…。少年と人魚の恋物語にしては浅すぎるし、その他の要素についても、特別な印象がない作品となっている。

■ストーリー
海辺の町に暮らす少年・トシヒデの宝物は、海の底に捨てられている人魚のピアノ。人魚の母親を持つトシヒデにとって、これを演奏している時だけが母親との絆を感じる瞬間である。ある日、いつも通りピアノを演奏していたトシヒデは、隠れて聴いていた人魚の少女・シジュと出会う。トシヒデは彼女に助けられたお礼としてピアノを教えることに。徐々に交流を深めていく二人。しかし人魚は人間を食べる恐ろしい存在で……。

少年・トシヒデは、ある日目が覚めたら女の子になっていた。これは世にも珍しい症例で、一生治らない不治の病らしい。美少女と化したトシヒデはクラス中から奇異の目を向けられ、男子たちの嫌がらせの標的にされてしまう。その時トシヒデを助けたのは、恋人・リエの兄・アキラだった。トシヒデはアキラの男らしさに魅力を感じ、自分が心まで女の子になってしまったことを思い知る。

リエとの関係、そしてトシヒデの決断とはケンジの妹・ナユタは「人の心を持たず、やがて世界を滅ぼす」と予言される悪魔の子である。頭には鋭いツノが生え、会話ができず、動物を殺しては死肉を食らい、周囲の人々から忌み嫌われていた。しかしケンジにとっては大切な家族だ。兄としてナユタを守るため、亡き両親に代わって必死に働き続ける。その一方で、理解が及ばない妹にケンジの悩みは募るばかり。ある日ついに、ナユタが人々の怒りを買う大事件を起こしてしまう!!

ある朝、光子(18)が美術学校に登校すると、玄関に自分の裸の絵が飾られていた! それは光子の妹・杏子が描いた作品だった。しかもコンクールで金賞を獲得したこの絵は、学校の慣例として一年間は展示され続けるという! 全校生徒に自分の裸を晒された光子は、この屈辱を晴らすために自分も杏子のヌードを描くことに。姉の威厳を見せつけようと絵に向き合う光子の胸に、久しぶりに会話した妹との思い出が去来する……。

■感想
「目が覚めたら女の子になっていた病」は、最初から最後まで突っ走っている。朝起きたら少年トシヒデは女の子になっていた。もう戻ることはない。恋人のリエに相談するのだが…。突飛な設定ではあるが、そのまま突っ走っているのが良い。

このあとどうなるだとか、そんなことは無視した展開が良い。リエとセックスをしようとしても、チンチンがない。それを真剣に語り合う二人が良い。しょうもないワンアイデアの物語ではあるが、この勢いが良い。絵柄も最近の作者の絵柄に近いものとなっている。

「予言の ナユタ」は、チェーンソーマンに登場してくるナユタの元ネタという感じだ。世界観を含め、作者らしい物語となっている。角が生えて生まれたナユタ。預言者から世界を滅ぼす力をもつ少女と言われ、周りから恐れられているのだが…。

ナユタの兄がナユタへの接し方がわからず、悩み苦しむような展開となっている。ナユタがヘンテコな言葉を話し、それを理解しようとする兄。そもそもナユタが生まれた時から、周りが特別視していたのが問題なのだろう。ラストでそれに兄が気づき始めている。

「妹の姉」はパート2では一番インパクトのある作品だ。妹が姉の裸の絵を描いて金賞をとる。その絵は校舎の玄関に飾られることになるのだが…。全校生徒に裸を見られた姉。妹との関係性が描かれている。妹には悪気がない。絵の才能での問題や、姉のプライドの問題。

そして、ラストでは姉は妹の目標である続けることを選択する。姉妹は時に複雑な関係性になることがある。最初は姉の方が先に始めたのでうまかったのが、妹に才能で追いつかれる場合がある。ラストはなんだか「ルックバック」のような雰囲気となっている。

個性的な作品ばかりだ。



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