あの子とO [ 万城目学 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
「あの子とQ」の続編。吸血鬼に関わる短編が3編収録されている。どこか番外編のような雰囲気がある。吸血鬼の弓子が正体を隠しながら参加するゲーム&クイズ大会。大昔の吸血鬼がカウンセラーに語る昔話。そして、弓子の親戚であり双子の小学生吸血鬼ルキアとラキアの物語。吸血鬼ということが周りにバレてはならない。それが絶対的な命題として存在している。
そのため、それぞれは吸血鬼としての特殊能力をもってはいるが、大っぴらに表に出すことはできない。そして、正体を隠してはいるが、実は弓子の周りにはひそかに吸血鬼として正体を隠して生活している者もいた。吸血鬼ではなく超能力者なのでは?と変に誤解する者がいるのも面白い。
■ストーリー
吸血鬼一家が営む山奥のピッツェリア。ある日、新たな仲間が加わることに!漫画家を目指す双子の小学生吸血鬼、ルキアとラキア。二人はスランプから抜け出すため、ピッツェリアに見習い職人としてやってきたオーエンさんにキャンプに連れて行ってもらうことになった。オーエンさんには吸血鬼だということは知られてはいけない。でもその夜、ある事件に遭遇し――。変速するヴァンパイアストーリー全3篇。
■感想
「あの子と休日」は、弓子が高校の友達とクイズ番組に出る短編だ。ディズニーのペアチケットを手に入れるために優勝を目指す。人数が足りないため急遽新聞部の女の子が入ったのだが…。実は「あの子とQ」で起きたバス事故の不自然さに気づき、調査している女の子だった。
この中に超能力者がいるのでは?という怪しさを感じている女の子が弓子と同じチームとなりクイズ番組に参加する。そこでの弓子の立ち回りや、そこで登場する司会者の不自然さなどが良い。
表題作でもある「あの子とO」は吸血鬼の双子の小学生の家族の話が描かれている。実は弓子と親戚だったりするので、吸血鬼の家族だというのはすぐに想像できた。大繁盛しているピザ屋の手伝いにやってきたオーエンさんは吸血鬼ではないので、オーエンさんに正体がばれるわけにはいかない。
Oというのはオーエンさんのことだろう。最初はオーエンさんが弓子に恋をしていると勝手に想像していた双子なのだが…。山奥のピザ屋ということで山でのトラブルがある。
オーエンさんが巨大なクマに襲われた。そこで前作では弓子が吸血鬼の能力を発揮して一般人を助けた。今回もそのパターンで小学生の双子が吸血鬼の能力を発揮してオーエンさんを助けるのかと思いきや…。
オーエンさんは、ただものではなかった。そして、オーエンさんがこの山奥のピザ屋に手伝いにやってきた理由も語られている。本気をだせば圧倒的な力がある吸血鬼。それは小学生であっても同様なのだが、一般の成人男性よりも強いのは間違いない。
作者独特の雰囲気がでている吸血鬼物語だ。