エスター ファースト・キル


 2023.10.6    成長の止まった大人の女【エスター ファースト・キル】

                     
エスター/ヴェラ・ファーミガ,ピーター・サースガード,ジャウム・コレット=セラ,ジョン・オットマン
評価:3

■ヒトコト感想
初代「エスター」は見ている。エスターは親に気づかれずにひたすら悪事を働くという恐ろしさがあった。本作は位置づけとしては「エスター」の前に当たるのだろう。実はエスターは子供の姿をしているが、中身は成長が止まった30歳の大人だった。そもそもが病院へ軟禁されていた女が脱出し少女エスターに化けていた。偶然の要素が強すぎるのだが…。

オルブライト家で4年前に失踪した少女エスターに女はなりきる。本作のすさまじいのは、オルブライト家の母親はエスターが偽物とわかってもなお、家族の円満のためエスターをそのまま飼い続ける部分だ。長男と母親がエスターの正体に気づき、内部でのヒリつくような駆け引きと、最後には殺し合いが行われる。

■ストーリー
2007年、アメリカで暮らすオルブライト家は、4年前に6歳で行方不明となった愛娘エスターの失踪事件に今なお心を痛めていた。そんなある日、エスターが保護されたという思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。この奇跡のような出来事を手放しで喜ぶ一家。驚くほど成長したエスターは聡明で才能も豊か。画家の父親に昔以上にべったりだった。また、あの幸せな時が帰ってくるー。

■感想
エスターの正体は精神病院で軟禁されていた大人の女だった。成長が止まっているため、見た目は子供だが、中身は悪魔のような女だ。本作のラストから「エスター」に繋がるのだろう。そう考えると、エスターがずるがしこいのは当然なのかもしれない。

施設を脱走した女が偶然自分にそっくりで失踪中の少女をみつけ、なり切る。このあたりが偶然の要素が強すぎるのだが…。エスターになり切った女は、オルブライト家に入り込むことになる。

偽エスターが家族を崩壊させる。ただ、本作で特殊な部分はオルブライト家の母親がエスターのことを見抜いた部分だ。実の娘ではないと判明してからも、夫との関係が良好になったからとそのままエスターを子供として面倒をみることになる。異常な状況だ。

もはやこの家族全員がおかしなことになっている。長男は妹であるエスターをバカにしながら、正体が判明するとサイコパス女と呼んだりもする。対外的には失踪した娘が帰ってきたという喜びにあふれた家族を演じてはいるのだが…。

エスターは、見た目は子供だが中身は大人だ。演じている子役が絶妙な表情をしているのがすばらしい。大人と思えば見えなくもない。無邪気な子供にも見える。オルブライト夫妻が抱き合っているシーンを隠れてみるエスター。

中身は大人の女なので、オルブライト家の父親に興味をもっている。何も知らず純粋に幸せを味わっている父親が不憫でならない。ラストでは家が炎に包まれ、長男はエスターにめった刺しにされてしまう。母親は屋敷の屋根から落ちて死亡する。

エスターの絶妙な容姿がすばらしい。



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