2023.9.15 ミサイルでも破壊できないドーム 【アンダー・ザ・ドーム2】
アンダ-・ザ・ド-ム 2 /文藝春秋/スティ-ヴン・キング(文庫)
評価:3
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■ヒトコト感想
前作ではドームが発生し、それに気づかない者たちが次々と事故で死んでいった。透明なドームに閉じ込められた街の人々は、混沌としてくる町の変化を感じていく。本作では、街を牛耳る者が密に自分の利益になるために動いていく。殺人の隠蔽、薬物製造。臨時の警察の強化。そして、ライバルとなる正義の男を追い落とす。
唯一の懸案はマスコミの存在だ。ドームを破壊するために発射されたミサイルは無意味ということが判明した。このままであれば、すぐにドームから出ることができないのは明らか。暴力による支配を目論むが、市民たちが支配を超える暴動を起こす。スーパーマーケットでの暴動はいかにもアメリカで発生しそうな、制御できない暴動という感じだ。
■ストーリー
恐怖に駆られた町民たちが引き起こしたパニックで死者が続出。軍は障壁の外側から、ドーム破壊のためのミサイル攻撃を計画する。そんな中、一人の男が立ち上がった。その名はビッグ・ジム。町を牛耳る権力者。彼は混乱に乗じて警察力を掌握、暴力による支配を目論む。逃げ場のないドームの中で、絶対的恐怖政治が開始された!
■感想
ドームで覆われた町は、混乱の兆しが見えていた。警察の力を強めるために、街の裏ボスの息のかかった者が、警察という大義名分を手に入れ暴れまわる。ドームの混乱に乗じて行われた殺人事件は、すべて隠蔽され都合の悪いことは目障りな男に押し付けている。
ドームがすぐに破壊されれば、街はすぐに元通りになるのだが…。政府はミサイルを利用してドームを破壊しようとする。ミサイルの熱であたりは燃えつくされるが、ドーム内はまったくの無傷だ。ドームの強硬さが描かれている。
ドームに囲われた町は外からアクセスができない。つまり孤立した状態で食料やエネルギーは街にあるものだけとなる。権力者は将来を心配し、スーパーを休業させ食料を配給制にしようとするのだが…。暴徒と化した市民が圧倒的な力で警官たちを排除しスーパーの食料品を次々と奪っていく。
まだ何の危機もおきていないが、この瞬間、危機をにおわせるようなことが起きると人は暴徒と化すのだろう。マスコミの女が暴動の写真を撮り、警察の横暴をスクープしようとする。
街のボスは自分たちが犯した殺人を目障りな男に押し付けようとする。唯一外との連絡をとり、大佐としての地位を得た男。いきなり4人もの殺人容疑者として警察に逮捕される。町のボスは裏で薬物を製造しており、街の燃料をひそかに横流ししていた。
この状況を制御できる唯一の男は逮捕され、残りはマスコミの記者しかいない。警察の横暴をどのようにして市民に知らしめるのか。ボスはマスコミの女の会社を爆破しようとする。すでに後戻りできない状態になっている。
どこまでエスカレートするのか、ドームは開くのかが問題だ。
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