2023.5.16 警視庁がテロリストに占拠される 【中途採用捜査官 SAT、警視庁へ突入せよ!】
SAT、警視庁に突入せよ! 中途採用捜査官 / 佐々木敏
評価:2.5
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■ヒトコト感想
中途採用捜査官シリーズ第2弾。今回は結城と恵が、テロリストに占拠された警視庁での攻防を描いている。まず序盤でいきなり警視庁がテロリストに占拠されてしまう。警視総監や警官や職員が人質となるのだが…。現実にあるえるのだろうか?圧倒的に警視庁側の方が人数は多いが警視総監を人質にとられると大人しくしているしかないのだろう。
核爆弾があり、霞が関のど真ん中で爆発させると脅される。結城は元SEとして、恵は経理的な目線が必要となる。敵組織の内部崩壊や隠しカメラによる情報収集。作者が得意なERPを交えながらテロリストの計画が描かれている。全体的に警視庁を占拠された状況ではあるが、結城が交渉人となり強気な交渉をする。
■ストーリー
テロリストが警視庁を占拠した!?現実の本庁内部を調べ尽くした、これがほんとの警察小説。
■感想
前作で中途採用捜査官として活躍した結城と恵が再登場する。中途として前職の知識を活かしたのが前作。本作では警視庁がテロリストに占拠されるという前代未聞の状況が描かれている。携帯の電波が妨害される状態となり警察庁は孤立する。
警視総監が人質にとられたので、警官たちはテロリストに従うしかない。テロリストがERPの納入業者に化けて警視庁へ潜入したため、SE経験のある結城が交渉人として交渉することになる。結城が終始強気で交渉しているのが印象的だ。
テロリストは核爆弾を持ち込んでおり、霞が関を爆破すると脅す。恵は人質として囚われているが、隠しカメラを用意して情報を対策本部へ送っている。テロリスト側の目的がはっきりしないまま、犯罪者の釈放を要求される。物語としてテロリストたちの真の目的が判明するのだが…。
目的に対しての準備があまりにも大きすぎる。これほどまでに大規模にする必要があるのか?と思わずにはいられない。警視庁内部を占拠するなんてのは、かなりハードルが高いはずだが…。
中途採用捜査官としての能力はあまり発揮されない。テロリストのボスがERPの開発会社関連なので、話が通じるということで元SEの結城が交渉人となる。ただ、それだけで結城だからというのはない。テロリスト内部での仲間割れにより事件は動き出す。
テロリストと結城の交渉はなんだかとってつけたような感じとなっている。明らかにテロリスト側が譲歩している。警察側としてテロリストに屈しないというその理由付けなだけで、実際にはテロリストに屈している場合がある。金を渡さないが、ATMを勝手にこじ開けられたらしょうがないというのは詭弁でしかない。
中途採用の能力があまり発揮されない作品だ。
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