スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼


 2022.7.31     あざやかにスマホをハッキング【スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼】

                     
スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 [ 千葉雄大 ]
評価:3

■ヒトコト感想
前作の刑事である加賀谷が主人公となる。謎の人物Mが加賀谷の恋人を狙う。Mの脅威に怯えた警察は浦野を捜査協力者として留置場でPCを操作させることになる。浦野の位置づけは、「羊たちの沈黙」のレクター博士的な存在なのだろう。浦野が仕掛けたウィルスでMの正体がバレる。前作の浦野以上に狡猾なハッカーかと思われたMなのだが…。加賀谷と恋人の関係があり、その恋人のスマホがハッキングされ常にスマホ越しにMに覗かれることになる。

本作で驚きなのは、いとも簡単にスマホを乗っ取られる部分だ。あまりにセキュリティが簡単にやぶられすぎる。2転3転する中で、ラストではMの正体が明らかとなる。そこから、浦野が脱獄し、続編への流れが続いていく。

■ストーリー
長い黒髪の女性ばかりを狙った、連続殺人事件。事件を追っていた刑事の加賀谷(千葉雄大)が、連続殺人鬼の浦野(成田凌)を捕まえて事件は幕を閉じた。と、誰もが思っていた――。犯人を捕まえたにも関わらず、同じ殺人現場から次々と発見される、若い女性の遺体。捜査が混迷を極める中、加賀谷は最後の手段として、囚われの殺人鬼・浦野への面会を申し込む。「お前が、殺したのか……?」刑務所で自由を奪われた浦野は、かつて自分にネット犯罪の全てを教えた、謎の人物「M」の存在を明かし、自分ならMに近づくことができると加賀谷にささやく。

仕方なく浦野と手を組むことにした加賀谷だったが、恋人の美乃里(白石麻衣)が謎の男に狙われていることに気が付く。なぜ犯人は美乃里を狙うのか。これは模倣犯の仕業? それとも浦野の犯行?やがて事件は誰もが予想しない急展開を見せ、加賀谷は愛する者の命だけでなく、自分が抱えるヒミツまでもが危険に晒されてしまう。ただ、スマホを落としただけなのに……。

■感想
前作から引き続きスマホをハッキングされることによる問題が描かれている。前作を見ていなくても問題はない。前作で浦野を逮捕した加賀谷が狙われることになる。明らかに、前作の復讐のために加賀谷がターゲットとなったような描かれ方をしている。

合間にチラ見えするMは顔に傷をもつ怪しげな男。浦野をしのぐほどの技術力をもっていると思われる相手。序盤で加賀谷の恋人である美乃里のスマホをハッキングする場面は鮮やかだ。スマホをのっとられるとプライベートが駄々洩れとなる。

仮想通過を大量にうばったMを逮捕するため、県警は浦野を使うことになる。浦野対Mの対決が描かれるのかと思いきや…。浦野はいつまでたっても不気味な存在となる。加賀谷に協力しているようでありながら、実は脱走を狙っている。

浦野のウィルスに感染したMのPCでMの正体が判明するのだが…。このあたりでは、Mが言うほどプロフェッショナルではないのでは?と思えてくる。Mよりも何を考えているかわからない浦野の方がそら恐ろしく感じてしまう。そして、浦野が脱走する。

Mの正体が明らかとなる。実はMは偽物で、本物のMは遥か昔に浦野に殺されていた。やはり浦野が絶対的な悪なことには変わりない。加賀谷は母親との問題があり、美乃里との問題もある。序盤に登場した美乃里のスマホをハッキングした目的も判明する。

序盤から顔に傷をもつ男が何か怪しいと思ったが、やはりMではなかった。スマホをハッキングしてどこまでできるのか?という興味はある。あらゆるカメラがハッキングされいつでも誰かに監視される社会は恐ろしすぎる。

逃げ出した浦野が存在するので、続編はあるのだろうか。。



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