失敗する自由が超越を生む 


 2024.7.1      ベストのタイムをだしたフォームがベストなフォームだ 【失敗する自由が超越を生む】


                     
失敗する自由が超越を生む 量子物理学者 古澤明の頭の中 (小学館新書) [ 真山仁 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
タイトルは失敗する自由となっている。中身は真山仁がノーベル賞に一番近い日本人といわれている量子物理学者の古澤明氏とのインタビューがメインとなっている。「タングル」で量子物理学についての記載をきっかけとして知り合ったふたりの会話が続く。お互いが似たような考え方をもっているようで。。。

量子コンピュータについて細かく説明されているわけではない。古澤明がどのような幼少期を過ごし、東大へと進学し、その後研究者となったのかが描かれている。「負ける勝負はしない」「本業はウィンドサーフィン」など、普通の研究者とは違う言葉が続く。確かに天才なのかもしれないが、ものすごく負けづ嫌いというのが強く印象に残っている。

■ストーリー
世界が注目!ノーベル物理学賞に一番近い男いま世界中が注目する新時代のコンピューター研究者を徹底解剖。 カリフォルニア工科大学留学時代に培った組織論、そして学者とスポーツマンの両面を持つ古澤氏の、結果を出す思考力に「ハゲタカ」シリーズの人気作家真山仁が迫る。「バントはするな、ホームランを狙え」これまでの常識を覆す「光量子コンピューター」開発の最前線を走る、量子物理学者の古澤明東京大学工学部教授。

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも話題を呼ぶ、その型破りな研究者の思考力はどこから生まれてきたのか。〇本職はウィンドサーファー、趣味は研究〇研究所の大学院生には給料制で生活安定を〇モットーは「勝つまでやれば絶対勝てる」世界が注目する新時代のトップ研究者の思考力を7章渡って紹介!

■感想
量子コンピュータが実現されると世界を救うらしい。冒頭から興味を惹かれる展開が続いていく。現在のスーパーコンピューターでは大量に電力を必要とするため、このままでは地球を滅ぼしかねない。量子コンピュータが実現されれば、その先の地球温暖化問題もクリアとなる。

量子コンピュータの仕組み云々は作者の「タングル」で書かれているので、本作では説明されていない。古澤明という人物がどのような幼少期を過ごしどんな考え方をしているのかが描かれている。

型破りな研究者の思考とはどのようなものなのか。勝つまでやめない。研究者としてアメリカで実績をだしたことについてや、世界初の試みについて。驚いたのはこの古澤の研究室が量子物理学については世界でもっとも進んだ研究をしているということだ。

その後のビジョンとして古澤自身が起業を考えているらしい。これはまさに「タングル」の中で教授が選択したルートと同じだ。99%の努力と1%のひらめきで技術がすすんでいく。そのために失敗はどんどんしてよいという流れだ。

作中では、数々の偉人の言葉が印象的に描かれている。古澤が漫画の切り抜きを常に近くに置いているということに驚いた。それは何かの漫画でフォームが重要なのではなく、ベストタイムをだしたフォームがベストのフォームだという部分だ。

確かに形だけにこだわったとしても、結果が出なければ意味がない。結果が出たやり方が正しいやり方だ。そこまで形にこだわる必要はない。失敗する自由というタイトルのとおり、失敗を恐れては何も進まないということだ。

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