シン・ウルトラマン


 2023.3.17     新しい形のウルトラマン【シン・ウルトラマン】

                     
シン・ウルトラマン [ 斎藤工 ]
評価:3

■ヒトコト感想
ウルトラマンをリアルタイムに見たことはないが、情報としては知っている。「シン・ゴジラ」的な扱いなのだが、現代的なウルトラマンは十分楽しめた。子供が楽しむ特撮というイメージのウルトラマンが、政治家や組織の話を交えながら現在にウルトラマンが登場したらどうなるかが描かれている。ウルトラマンの正体を探ることや、科学技術の小難しい話もある。

次々と地球を侵略するために外星人たちが日本にやってくる。地球の科学技術ではまったく対抗できない外星人たちの技術力はすさまじい。ラスボスであるゼットンが、宇宙に浮かぶ地球を破壊する兵器となっているのが良い。さすがにウルトラマンと対決する怪獣に地球が滅ぼされるとは思わないだろう。

■ストーリー
次々と巨大不明生物「禍威獣(カイジュウ)」があらわれ、その存在が日常となった日本。通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、【禍威獣特設対策室専従班】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。班長・田村君男、作戦立案担当官・神永新二、非粒子物理学者・滝明久、汎用生物学者・船縁由美が選ばれ、任務に当たっていた。禍威獣の危機がせまる中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。禍特対には、巨人対策のために分析官・浅見弘子が新たに配属され、神永とバディを組むことに。浅見による報告書に書かれていたのは…

■感想
ウルトラマンが現代に登場したらどうなるのか。組織として怪獣に対応しているが、地球人の技術力では対処できない。ウルトラマンの登場以前はどのように怪獣に対処してきたのか。禍特対が対処してきたという描写があるが…。どう考えても厳しいだろう。

日本国民はどことなく、怪獣は地震のような天災と同じ扱いとなっている。怪獣がやってきて潰されて死んだとしても、それは運が悪いことで終わっている。ウルトラマンが登場したことで、世界から日本が注目されるなど、政治的な色が強くでている。

組織として動く禍特対は、当然ながら政府上層部からの命令をうける。また、地球人と交渉する外星人が登場し、総理大臣と契約を結んだりもする。オリジナルのウルトラマンでは登場しえない、裏の国としての駆け引きが濃密に描かれている。

序盤は物理的に地球を破壊したり電力を奪ったり、放射能をばらまくような怪獣が登場してくる。後半からはウルトラマンを誘拐したり、政府と交渉したりと頭脳プレイで地球を支配しようとする怪獣が登場してくる。

ラスボスであるゼットンは、オリジナルは怪獣スタイルだったのだが…。本作では宇宙空間に浮かぶ巨大な兵器となっている。地球を消滅させる熱球を生成し、地球へ攻撃する準備をしている。最終的にはウルトラマンと禍特対が協力してゼットンを並行世界を飛ばしてしまうのだが…。

ウルトラマンの売りであるアクションではなく、宇宙兵器の破壊というのはなんだかちょっとやりすぎのような気がした。このあたり、オリジナルのファンはどのように感じるのだろうか。

新しい形のウルトラマンだ。



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