シン・ゴジラ


 2018.2.20      巨大生物にアタフタする日本政府 【シン・ゴジラ】

                     
シン・ゴジラ [ 長谷川博己 ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
ゴジラといえば、怪獣が暴れまわる、もしくは怪物と戦うというイメージだ。本作では、ゴジラが今の日本にやってくるとどうなるのかをシミュレートしたような感じだ。最初はことなかれ主義を貫いていた政府だが、次第にことの重大さに気づく。ゴジラが変形前の状態で日本に上陸しても、まだどこか他人事の政府。結局はドタバタとする政府関係者たちを描き、それがリアルに感じてしまう。

日本政府目線の物語のため、実際に被害にあった日本人の状況はほとんど描かれていない。また、ゴジラの目的も語られていない。ゴジラをどうするか、アメリカや他の国との綱引きなど、面白い部分も多数ある。別視点でのゴジラだ。

■ストーリー
突如として出現した巨大不明生物・ゴジラと対峙する日本の姿を、リアリティを追求したストーリーとドキュメンタリータッチの演出で描き出す。

■感想
巨大不明生物が、もし今の日本に突如として出現したらどうなるのか。ちょうどゴジラが暴れまわるのは、自分が住んでいたあたりや、勤務地の近くだったりするため、ゴジラが暴れて壊すビルなど、非常に身近に感じてしまった。

日本政府があらゆる手を使い、どうにかして事態を打開しようとする。避難勧告や自衛隊の出動など、まさに手続きがすべての国の動きがそのまま描かれている。特に政府の職員が、巨大生物が出現した際の撃退マニュアルがない、と嘆くのが印象的だ。

ゴジラになすすべのない日本。自衛隊の攻撃ではほとんど足止めにすらならない。そんな状態でついにアメリカから核攻撃の案がだされることに。まさに最終兵器登場である。他の国からすると、日本から自分の国へやってくることを恐れている。

核爆弾で殲滅できるとは限らない。またゴジラの内部エネルギーが核融合で動いているという衝撃と、その先にある凍結計画。まさにゴジラの存在がすべてをひっくり返すことになっている。

ラストのバタバタはまさに本作の最も盛り上がる場面だろう。ゴジラをどのようにして凍結するのか。そして、日本政府はゴジラを殲滅した後に、どのようにして復興させるかまでも考えているのがすさまじい。日本を復興させるため、あえて他国から同情を集め融資を受ける必要がある。

スクラップ&ビルドをくりかえすことで成長してきた日本というのが印象的だ。ゴジラの存在意義や目的がよくわからないが、謎の巨大生物に襲われた際の日本のパニック具合は正しいのだろう。

ある意味、シミュレーション的な意味があるのだろう。



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