新 謎解きはディナーのあとで 


 2023.7.11      新章スタート 【新 謎解きはディナーのあとで】

                     
新 謎解きはディナーのあとで [ 東川篤哉 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
「謎解きはディナーのあとで」シリーズの新章がスタート。いつものメンバーに加え麗子の後輩に天然の愛里が加わる。基本的パターンは同じだ。上司の風祭が無茶な推理をし、それを麗子が家に持ち帰り、執事である影山が丁寧な口調で麗子を罵倒しながら推理を展開する。ミステリアスな短編5編。トリックは割とライトなものが多いが、作者の他作品と比べると純粋なミステリに近いかもしれない。ただ、本作の魅力はミステリー部分ではなく麗子や風祭や影山それぞれのキャラクターだ。

愛里という天然キャラが加わったことで、風祭に対する圧力が無意識に強まっている。愛里が天然なので、麗子のダメっぷりと影山との激しいやりとりというのが少しグレードダウンしているかもしれない。

■ストーリー
宝生麗子の後輩に天然キャラの新米刑事・若宮愛里が加わり、警視庁に栄転した風祭警部は大きなミスを犯して国立署に舞い戻り、新たなメンバーで難事件に挑むが――!?富豪の家で”無人だった”はずの部屋から発見された長男の首吊り死体の謎。鍵のかかった土蔵で見つかった骨董好きの老人の遺体と血文字のダイイング・メッセージの謎。雑居ビルの裏で発見された墜落死体とそのポケットに入っていた血の付いたナイフの謎。

シェアハウスで殺された看護師と5つの目覚まし時計の謎。アパートで殺害されたイケメン大学生と建設作業員が”煙草を吸っている間に”目撃したという怪しい男の謎。執事探偵・影山の推理と毒舌が冴えわたる、本格ミステリ全5編。

■感想
ミステリーとしての魅力はそれほどない。トリックについても目覚まし時計のセットした時間が午前と午後で鳴ることを扱うなどしている。昔からあるトリックであり、それだけで犯人が推理できるのは、かなり強引な展開となっている。

その他のミステリーのトリックについても、リュックを前に担いでいるので太っている人に見えていた、など割と単純な内容となっている。そして、そのトリックだけで確実に犯人が導き出されるわけではないが、流れであっさりと犯人が見つかってしまう。

旧シリーズでは麗子が影山に相談した際に、徹底的に丁寧な言葉で麗子は影山に罵倒されていた。本作もそのパターンは健在だが、麗子がそのことについて敏感になっており、何かと反応するのがポイントかもしれない。

麗子の話だけでは到底犯人を導きだす材料となるわけではないのだが…。影山の冴えわたる推理がなぜかあっさりと犯人を限定している。現場では風祭警部の暴走というか、ぶっ飛んだ推理が麗子を混乱させるのだが…。愛里が入ることで風祭に対する防波堤のような役割となっている。

シリーズとしてのポイントは変わらない。影山が安楽椅子探偵の役割を行い、麗子が狂言回し役となる。ミステリのトリックが平凡なために本格的なミステリーを希望する人には向かないかもしれない。作者の他作品のようにライトなミステリが好みの人にはうってつけかもしれない。

刑事でありながら超絶なお嬢様である麗子。お嬢様であることを隠し、しゃべりや行動がお嬢様のテンプレというのも面白要素なのかもしれない。使い古された設定ではあるが、根強いファンがいるのだろう。

シリーズのファンは読んでみてもよいだろう。



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