選挙の勝ち方教えます


 2022.3.9      選挙での勝利を請け負う者たち【選挙の勝ち方教えます】

                     
選挙の勝ち方教えます [ サンドラ・ブロック ]
評価:3

■ヒトコト感想
選挙で勝つために選挙コンサルタントであるジェーンが奮闘する物語だ。選挙ロビイストの物語では「女神の見えざる手」が印象的だが、それとは異なっている。選挙がボリビアの大統領選というのがポイントなのだろう。ライバル候補には知り合いのコンサルタントが参加している。常に負け続けてきたジェーンが宿敵を倒すまでが華麗に描かれている。

ネガティブキャンペーンや候補者の性格に合った戦略を練るなど。極めつけは印象的なフレーズを見つけたと、あえて敵対するコンサルタントに知らせ、実はそれは過去の独裁者の言葉だったとオチが付く。ジェーン側が最終的には勝利したとしても、その後のボリビアの政治が変わることがないのが印象的だ。

■ストーリー
過去に何度も無謀といわれた選挙戦を勝利に導いた選挙コンサルタント、ジェーン・ボディーンは6年前の敗戦から“疫病神ジェーン”という汚名を着せられ、選挙の世界から離れていた。そんな時、南米ボリビアの大統領選挙候補者のコンサルタントとして呼ばれ、勝利は彼女の手に託された。彼女が4戦4敗している宿敵が対立候補のコンサルタントをしていることから、宿敵パット・キャンディとジェーンの争いになっていくのだった…。

■感想
ボリビアの大統領選にコンサルタントとして招集されたジェーン。圧倒的に不利な状態からどのようにして挽回するのか。敵対する候補には、ライバルのコンサルタントがいた。序盤ではすべて相手に先を行かれ、ジェーンの策略がすべて裏目にでる。

ただ、中盤以降はジェーンの戦略がドンピシャとなり、候補者のポイントを挽回することに成功する。ジェーンは勝つためにはなんでもするタイプだ。周りが頑なに反対したとしても相手にネガティブキャンペーンを仕掛けることは辞めない。

極端な話、なんでも嘘でもよいので相手の評判を落とせればよいのだろう。独裁者と過去に関係があっただとか、自分の候補者の息子が宗教にハマりこんでいることを逆手にとり、インタビューの際には涙ながらに息子への思いを語る。すべてが戦略の上での行動なのだろう。

会見の際にはジャケットを脱いでシャツの腕まくりをして活動的な部分を見せる。それでいて、草の根活動として、貧困層が暮らす場所にまで細かく選挙活動を続けていく。そこで貧困層に寄り添った政治を行うと約束してしまう。

最後の最後の土壇場でジェーン側が勝利する。大喜びで次の選挙へと向かうチームメンバー。世界中のあらゆる選挙に挑戦しているのだろう。ただ、ジェーンだけはボリビアに残り、ボリビアの政治を変える活動へと従事する。結局、大統領選に勝った瞬間に、貧困層のことを忘れ、自分の都合の良い政治を行うことになる。

ジェーンは選挙に勝たせるだけ。その後の候補者の政治活動にまで口をだすことができない。ここで選挙を手伝っていた若者の絶望した表情が印象的だ。

アメリカ人の選挙コンサルタントは、あらゆる国の大統領選挙に入り込んでいるのだろう。



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