2022.9.12     ハサウェイはアムロでケネスはシャアだ【閃光のハサウェイ】
      
                                 
            
            機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ [ 小野賢章 ]
            評価:3.5
            
            ■ヒトコト感想
            「逆襲のシャア」から続く物語。小説が原作のようだが読んだことはない。逆襲のシャアでのハサウェイはまさに憎たらしく生意気なガキという印象があったのだが、本作では落ち着いた大人の男という印象が強い。3部作の初回なので、ある意味物語の説明的な色合いが強いのだろう。ハサウェイが反乱組織マフティーのリーダーとなる。
            
            冒頭からハサウェイと、マフティーを討伐する立場のケネスが出合う。ふたりの間にはギギ・アンダルシアという美少女がいる。この微妙な三角関係が大人の雰囲気を醸し出している。ガンダムシリーズなので、ガンダムは登場するのだが、ファーストガンダム世代としてはあまりにガンダムっぽくない。モビルスーツのアクションも夜の戦いということで、あまりアクションが目立たない雰囲気となっている。
            
            ■ストーリー
            第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。U.C.0105――。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府運動「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。
            
            アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。
            
	        ■感想
	        3部作の初回なので、人物紹介や物語全体の説明の意味が強いのだろう。ハサウェイは落ち着いた男となっており、ギギとのちょっとした駆け引きにも主導権を握っている。ハサウェイは過去の呪縛から逃れられないという設定なのか。
	        
	        クエスの幻想をギギに見ている。ガンダムシリーズの定番だが、主人公が何かしらトラウマを抱えている。本作ではケネスがシャアのような存在で、ハサウェイがアムロなのだろう。そして、ギギがララアということか。ケネスが直接モビルスーツに乗ることはないと思うが、対立形式は明確となっている。
	        
            地球連邦軍にテロを仕掛ける組織であるマフティー。そのリーダーであるハサウェイが地球で活動する。政治的な動きというか駆け引きが強烈に描かれている。ハサウェイの行動が正しくないとギギは言う。このあたり、テロが成功する場合はZガンダムのようになるのだろう。
            
            ハサウェイはカリスマ性がありマフティーのメンバーから慕われている。ギギを助けたために、マフティーのメンバーが地球でのテロ活動に失敗してしまう。このあたり、ハサウェイのわがままさが組織をピンチにさらしている。
            
            モビルスーツの映像はすばらしい。ただ、戦闘シーンはそこまで明確ではない。夜の戦闘ということもあるが、ガンダム同士の対決でも激しいアクションが暗闇にまぎれてあまり見えない。ミサイルを大量に発射しての戦いということなのだろう。
            
            ハサウェイがニュータイプという描写はないが、今後はニュータイプ的な戦い方をしていくのだろう。ハサウェイとマフティーの組織。そして、ケネスとの対決。それぞれが思惑がありすばらしい映像で物語は成り立っている。続編が気になることは間違いない。
            
            アクションが少ないのを不満に思う人もいるかもしれない。
            
            
            
            
            
          
          
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