三体 エピソード1,2


 2024.9.1     三体の世界観が正確に描けるのか?【三体 エピソード1,2】


amazonプライム                      

評価:3.5

■ヒトコト感想
あの「三体」の映像化。正直、三体の映像化は難しいと思っているのだが…。序盤のエピソードは実はかなり小難しい内容になっている。それをうまく映像化しわかりやすくしている。この序盤で、どのようにして観衆を離さないかがポイントだろう。三体軍が明確になるまでの流れをどのように描くのか。エピソード1と2では汪淼がカウントダウンに気づくところまでが描かれている。

ここまでは全く問題なく楽しめた。物理学が存在しない。ということがどれだけ衝撃的かをうまく表現している。自分たちがガチョウの科学者で人間から定期的に与えられる餌を宇宙の摂理だと思い込んでいるが、実はそれは人間の気まぐれでしかない。物理学も何者かの気まぐれで変わるものであれば強烈だ。

■ストーリー
2007年、北京オリンピック開催間近の中国。ナノ素材研究者の汪淼(ワン・ミャオ)は突然訪ねてきた警官の史強(シー・チアン)に、学術組織“科学境界(フロンティア)”との関わりを質問される。史強の無礼な態度に汪淼は返答を拒むが、同行していた軍人にある会議への出席を要請され、やむなく同意。各国政府や軍関係者が集う会議に参加した汪淼は、世界各地で科学者たちの謎の自殺が相次いでおり、彼らのほとんどが科学境界と関係があったことを知る。

会議からの帰り、汪淼は自殺した物理学者の1人である楊冬(ヤン・ドン)の恋人、丁儀(ディン・イー)を訪ねる。楊冬が死を選んだ理由を尋ねると、丁儀は汪淼をビリヤードに誘う。奇妙な“実験”のあと、丁儀は楊冬の実験基地であり得ない実験結果が出たこと、その結果が実験を行う前に楊冬の指導教授に届いていたことを語る。深まる疑念を解くため、汪淼は翌日、申玉菲(シェン・ユーフェイ)のいる科学境界(フロンティア)を訪ね、射撃手(S)と農場主(F)を巡る議論に参加するが…。

■感想
三体の序盤をどのようにして魅力的に描くのか。序盤では科学者の自殺が続いていくという流れから、何かが起きていると臭わせている。まだ、この段階では三体世界は登場してこない。謎の組織や、三体惑星へデータ送信を行う描写はある。

巧みな構成により飽きさせない展開となっている。まだ序盤ということもあり、主要な登場人物の紹介の様相が強い。そして、汪淼が不変であるはずの物理学に変化が起きていることに気づく。軍の幹部たちだけは戦う相手がわかっているのも謎めいていてよい。

もし、自分が原作を読んでいない状態で本作を見たら、かなり困惑することだろう。物理学がどうなっているのか。物理法則が成立しないことにどのような意味があるのか。今まで不変で正しいと思っていたことが、実は神やそれに近い何者かによる気まぐれでしかなかった。

狙撃者が紙の10cm間隔で穴をあける。二次元の生物たちは等間隔で穴が開いていることを不変の法則と思い込み、この世(二次元)でははるか先まで等間隔で穴が開いていると思い込む。これはつまり宇宙がどうなっているかを想像している人類に当てはまることだろう。

原作でも感じたことだが、物理学が成立しないことが科学者の自殺に直結するだろうかと思った。が、作中の例えを見るとそれも納得してしまう。人類や地球や宇宙をはるかに超越する何かの存在により物理学が気まぐれに操作されていると知るとそのショックは大きいのだろう。

実際には三体世界の策略でしかないのだが…。これから先、このドラマがどのように三体世界を表現し、壮大な物語を映像化するのか楽しみで仕方がない。ある意味、変な形での表現にはしてほしくない。

続きを見るのが楽しみで仕方がない。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp