リーシーの物語 下 


 2023.7.20      ブーヤ・ムーンで死者が甦る 【リーシーの物語 下】

                     
リーシーの物語 下 / スティーヴン キング
評価:2
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■ヒトコト感想
上巻では、死んだはずのスコットが生き返ったということで、その謎というか不思議な部分が描かれていた。本作ではリーシーはスコットの幼少期の経験から、ある特殊な場所に行くことで死者が生き返るということを知る。世界は変わる。精神的な病にかかっていた姉のアマンダは、謎の場所ブーヤムーンにより正常に回復する。

スコットは死から生き返り、リーシーに襲いかかる男は、アマンダとリーシーの策略により謎の世界へ閉じ込められていく。リーシーの夫であるスコットの過去が大きく関係していく。ただ、物語の基本スタンスはリーシーが襲いかかる男をどのようにして排除するかが描かれている。誰も知らない奇跡の場所。そこをどのように活用するのか。

■ストーリー
花が咲き乱れる森“ブーヤ・ムーン”。その空に月がかかる時、世界は恐るべきものに一変する。まだら模様のものが這い回り、死者が佇む暗い森。そこへ赴こうとリーシーは決断する。夫が心に秘めてきた忌まわしい過去と直面し、彼を救うために。痛ましい宿命と、それに打ち克つ愛を描き、巨匠が自作のベストと断言する感動大作。

■感想
ブーヤ・ムーン。それは世界が変わる場所。現実にはありえない。リーシーはブーヤ・ムーンを訪れた瞬間、すべてを信じることができない。まず上巻では死んだはずのスコットが生き返った不思議が描かれていた。

本作では、スコットの幼少期に何が起きたのか。そして、スコットの兄のポールは幼少期に悪魔に見いだされ怪物となっていた。スコットの父親はすべてを理解し、スコットに伝えようとしている。このことから、スコットが生き返った理由がうっすらと感じ取ることができる。

スコットはブーヤ・ムーンにより生き返った。それは不思議な場所だった。上巻ではリーシーの悩みの種のひとつであった姉のアマンダがいた。精神病によりエキセントリックな行動と言動を繰り返し続けるアマンダ。

親類すべてが厄介者扱いするアマンダが、リーシーの機転によりブーヤ・ムーンで症状が改善する。もはやブーヤ・ムーンはなんでも治療してしまう不思議な泉というようなイメージだ。正常に戻ったアマンダは、リーシーを付け狙う男と対決することを決意する。

全体を通してリーシーを付け狙う男との対決がラストとなっている。リーシーとアマンダの協力により、男は謎の世界へと閉じ込められてしまう。そもそもがこのブーヤ・ムーンとは何なのか?それはスコットの幼少期の経験から語られる。

そして、スコットが残した小説によりその説明がされるのだが…。最後までよくわからないまま物語は終わっている。不思議な世界が作り上げられたとして、その必然性が感じられないと、なんでもありな感じがしてしまう。

かなり難解な物語だ。



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