リーシーの物語 上 


 2023.5.30      人気作家の妻が夫の死を契機に変わっていく 【リーシーの物語 上】

                     
リーシーの物語 上 / スティーヴン・キング
評価:2
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■ヒトコト感想
人気作家であった夫が亡くなったリーシー。夫の未発表の小説を手に入れようとする者たちの攻勢にうんざりしつつも、夫の遺品整理を始める。リーシーは生前の夫が残したメッセージを読む。そこには強烈なインパクトのある秘密が描かれていたのだが…。

リーシーは精神が不安定な姉を抱えている。売れっ子作家であった夫と夫婦であるという立場は、周りがチヤホヤしてくる。リーシーは幸せで充実した生活を過ごしていたかと思いきや…。夫が残した秘密は強烈だ。読んでいて、今何が起こっているのかわからない状態となる。一種の混乱状態かもしれない。リーシーの夫であるスコットは生き返ったのか?スコットが幼少期に経験したことは真実なのか。すべての謎は下巻で明らかになるのだろう。

■ストーリー
作家だった夫を亡くした痛手を抱えるリーシーは、ようやく遺品整理をはじめた。すると、夫が自分に遺したメッセージが見つかる。彼は何かを伝えようとしている。それは夫の創作の秘密、つらい時に彼が訪れた異世界“ブーヤ・ムーン”に関わるものだった…。人に降りかかる理不尽との戦いを巨匠が全力を注いで描く超大作。

■感想
序盤はリーシーの状況説明となる。精神が不安定な姉が入院しており、もう一人の姉がリーシーたちの心配をしている。リーシーはスコットという有名作家を夫にもつが、夫が死に未亡人となる。スコットの未発表の作品をリーシーが隠しもっているのではないか?という噂がたつ。

人気作家の妻という立場から、スコットの遺作の権利を手にしている有力者となってしまったリーシー。スコットの遺作に群がる有象無象をいなしつつも、リーシーはプライベートの問題に四苦八苦する。

死んだはずのスコットが生き返った?これがリーシーの妄想なのかそれとも現実なのか。生前のスコットはリーシーにとってどんな人物だったのか。スコットが死んでから、スコットが残したメッセージで新たな真実が明らかとなる。

スコットは幼少期に父親から虐待を受けていたという。それがすべて真実なのか。スコットの語る言葉にはなんだか矛盾がある。すべてが真実なのか、それともリーシーの妄想なのか。スコットが生き返ったとしてもまともな状態であるはずがない。

スコットの語る言葉は異世界というかパラレルワールドのようなものなのだろうか。リーシーは今の現実に四苦八苦しているため、自分の妄想の世界に逃げ込んだのか。リーシーが経験している世界が、どのような変化があるのか。

下巻に向けて謎は盛沢山だ。これらすべてが下巻で解決されるのだろうか。スコットがまともな状態で生きているとは思えない。それなりに何か因果応報がありそうな気がしてならない。強烈なインパクトはないのだが、下巻の流れが気になる作品だ。

リーシーの行く末が気になる流れだ。



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