パーフェクト・ドライバー


 2024.5.24    脱北者がドライバーのトランスポーターだ【パーフェクト・ドライバー】


                     
パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女 [ パク・ソダム ]
評価:3

■ヒトコト感想
訳アリな荷物を送り届ける「特送」。どことなくジェイソン・ステイサム主演の「トランスポーター」に近いストーリーではあるが、主人公のテイストが異なる。ジェイソンステイサムはスーツをびしっと着こなし高級外車でカーチェイスを繰り返す。方や本作は、ボロボロの車を駆使し、ドライバーは脱北者の若い女性であるウナだ。

賭博ブローカーの息子が逃げる際に父親を殺害され独りぼっちとなる。幼稚園くらいの年齢なのだろうが、強烈に生意気だ。ウナのことを「おばさん」と呼び続け、わがままを言う。ウナは最初はこの生意気なソウォンを雑に扱っていたのだが、いつの間にか親身に対応することになる。悪役である悪徳刑事の個性が際立っている作品だ。

■ストーリー
ワケあり荷物を届ける特殊配送会社「特送」。天才的なドライビング・テクニックを持つウナが引き受けた依頼。それは海外ヘの逃亡を図る賭博ブローカーとその息子ソウォンを港まで運ぶこと。しかし思わぬアクシデントにより依頼人不在のままソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。貸金庫の鍵を狙う悪徳警官、さらにはウナを秘密裏に調査する国家情報院までをも巻き込んだ、命がけの追走劇が始まる─。

■感想
序盤はウナが天才的なドライビングテクニックをみせ、訳アリの人を目的地に運んだりもする。海外逃亡を図るブローカーは悪徳刑事に目を付けられ、刑事の隠し財産の30億の金庫のカギを盗みだす。このことにより悪徳刑事に狙われることになる。

結局は、ブローカーは殺害され、息子のソウォンだけがウナの元にやってくる。大金を持った子供をウナはしょうがなく車に乗せるのだが…。トランスポーターほど紳士的な主人公ではなく、高級感はない。どこか底辺の人物が同じくボロボロの者たちを助けているというような感じだ。

ソウォンは生意気だ。ウナのことをいつまでも「おばさん」と呼び、自分が金を持っていることを認識している。いちいちウナに絡んできては、自分を置いていくと叫ぶ。そして、何かがあると大声で泣き叫ぶ。父親が死に母親に捨てられたかわいそうな子供というイメージよりも生意気でうざい子供という印象の方が強い。

そんなソウォンを必死になって守り助けているウナには同情心がわいてくる。タイトルほどカーチェイスは登場してこない。ウナが脱北者という要素がひとつ特殊な個性となっている作品だ。

結婚していないウナではあるが、ソウォンに母性本能がくすぐられるのだろう。命を賭けてソウォンを助けようとする。本作の売りのひとつである悪徳刑事の個性がすさまじい。裏ではチンピラを使いながら賭博の元締めとして活動している。

表では刑事として権力を振りかざす。仲間のブローカーに金を持ち逃げされ、30億を隠す金庫のカギを取られたので、血眼になってソウォンを追いかけ続ける。殺人は普通に実行するのだが、時折、妙なやさしさを見せるのが不気味だ。

運転する車を選ばないウナは特殊だ。



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