パラレルワールド・ラブストーリー


 2022.10.20     親友の恋人は自分の恋人なのか?【パラレルワールド・ラブストーリー】

                     
パラレルワールド・ラブストーリー [ 玉森裕太 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
原作を読んだのは十年以上前なので、ほとんど内容は覚えていない。過去と現在が交互に描かれる方式のため、何が真実なのかわからなくなる。電車で見かけていた麻由子は親友の智彦の恋人だったはずだ。それが今現在は崇史と同棲している。記憶があいまいとなり、智彦に麻由子を紹介されて付き合いだした記憶もある。崇史が過去を思い出すたびに現在の状況に違和感がでてくる。

作中ではサブリミナルのように記憶の研究をしている智彦の言葉が続いていく。伏線として実験することで対象者の記憶を上書くことができるとも語られている。となると、崇史の記憶は何者かに書き換えられたことになる。ただ、そうだとしても麻由子の態度がどうなのか。。記憶改変ものの物語だ。

■ストーリー
真実の世界はどっちだ?<世界>が変わりまくる驚愕の108分!ある日突然、崇史(玉森裕太)が迷い込んだ2つの世界。1つの世界では、愛する麻由子(吉岡里帆)と自分が恋人同士。しかし、もう1つの世界では麻由子が親友・智彦(染谷将太)の恋人に…。混乱する崇史の前に現れる、2つの世界をつなぐ【謎】の暗号。目が覚めるたびに変わる世界の中で、真実にたどりつけるのか――?

■感想
崇史は電車で出会うあこがれのあの人と、偶然再会した。それは親友の智彦の恋人としてだった。研究者オタク風な智彦に美人な麻由子。不釣り合いなようで、崇史はうらやましく感じている。そこから、現代へうつり、崇史の家には麻由子がいる。

麻由子と同棲している崇史は過去のことを夢として思い出したような気がしたのだが…。観衆はいったい何がどうなっているのかわからない状態となる。麻由子は崇史の恋人なのか、それとも智彦の恋人なのか。現在がなんらか仕組まれているような雰囲気がある。

崇史が思い出した過去では、智彦は麻由子と恋人関係にあった。ただ、今の自分の過去を考えると、智彦から麻由子を紹介され崇史が麻由子と付き合うことになったはずだ。これら過去の記憶の改編がなぜ起こったのかが後半で判明する。

物語の合間には、伏線として智彦の研究内容が語られている。そして、後輩に対して実験を試した結果、後輩の過去の記憶を書き換えることに成功したと語る。このあたりから崇史の記憶は書き換えられたのだろうと想像できる。ただ、なぜ麻由子と付き合う記憶になったのかは…。

智彦は麻由子と崇史が仲良くし、お似合いのカップルだということで、二人を付き合わせようとする。そのために様々な仕掛けを用意している。一番の驚きは麻由子だろう。例え智彦の命をかけた希望であっても彼氏の親友と付き合うことができるのか。

崇史と同棲カップルを装うことができるということは、麻由子の中でも崇史のことが気になっていたのは確実だろう。智彦と崇史。どちらの未来が成功なのか。悩んだ麻由子が最後に決断した方式というのは、それなりにインパクトがある。

原作を読んでいれば、より理解度が高まるだろう。



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