パラレルワールド・ラブストーリー 東野圭吾


2005.3.17 ラブではないが・・ 【パラレルワールド・ラブストーリー】

                     

■ヒトコト感想
タイトルはラブストーリーとなっているが、
実際にはそうではない。 純粋なミステリー、それも昔からある自分の記憶探しのようなパターンだ。

■ストーリー
麻由子は智彦の恋人だった。彼女のことを紹介され、崇史は驚いた。 かつて一目惚れした相手だったからだ。 親友の恋人を手に入れるために、崇史はいったい何をしたのだろうか。 「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る。 一つの疑問が、さらなる謎を生む。

■感想
割と使い古されたネタのはずなのに読んでいてそれほど古くさくは 感じなかった。それはテーマが脳の記憶改変についての話しになっているので、 新しい印象を受けるのだろう。単純な記憶喪失とかだとそれほど面白いとは思わなかったと思う。

過去の記憶と現在の自分の状況が交互に語られて、 その時間軸がちょうどう一致した時に
全ての謎が解ける。 読み進めていく内に、主人公の崇史と同じ気持ちになってくる。 今読んでいることは真実なのかそれとも間違った記憶なのか・・・ その結果感情移入しやすくなり、タイトルにあるラブストーリーの部分であろうところで、 自分ならばどうするかと深く考え込んだりもした。

友情と愛情のどちらを取るかといことで悩んでいる主人公だが、 なんとなく最初から結論は出ていたような気がする。 なので、ラブストーリーというほど恋愛に悩み苦しむんでいるような 印象は受けなかった。

最後に怒濤のネタバレがあり、その後の最終的な結末は語られていない。 前から思っていたのだが、東野作品ってわりと結末はこうなったと明確に 示さずに読者にその後を想像させる作品が多いと思う。 本作もそのパターンだが、僕の中ではハッピーエンドでは決して無かったと思う。




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