野良犬イギー 


 2023.4.10      イギーとアヴドゥルの出会い 【野良犬イギー】

                     
野良犬イギー [ 乙一 ]
評価:2
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■ヒトコト感想
ジョジョのイギーの物語。原作マンガでは描かれていない、イギーがアヴドゥル―と出会い仲間となるまでが描かれている。確かに原作マンガでは、なぜイギーのような扱いずらい犬を仲間にすることができたのかが謎であった。アヴドゥル―とイギーが対決し、最終的にはイギーは仲間となる。ただ、わかっていたストーリー展開なので新しさはない。

イギーの良さというか、自由きままな犬としての強烈なインパクトはある。ジョジョ好きであり第三部を知っている前提の作品だろう。イギーの能力としては、いつもの砂の能力があるのだが、小説として表現するのは少し難しいかもしれない。他のジョジョ小説と比べると、決まりきった展開というのがあり、安心感はあるが新しさはない。

■ストーリー
ジョン・F・ケネディ空港から見えたNYは黄砂に覆われている。私―モハメド・アヴドゥル―の目的は、マンハッタン島にひそむという、一匹の野良犬を捕獲することだった。ある”恐ろしい男”より先に。野良犬は、珈琲味のチューインガムが好物らしく、不思議な力で盗みを働く。犬種はボストンテリア。その犬の名は『イギー』……。間違いなくスタンド使いだ。

■感想
ジョジョの奇妙な冒険の第三部の中で、途中からジョセフたちの仲間となったイギーとの出会いを描いた本作。マンハッタンで野良犬として悠々自適な生活をしていたイギー。確かに野良犬とはいえ、スタンド使いの犬は、一般社会ではやり放題となるだろう。

コーヒー味のチューインガムが好きで、スタンドによりやりたい放題ができる。普通の人間ではイギーを捕まえることはできない。そこにアヴドゥル―がやってきてディオの仲間にされる前に自分たちの仲間にしようと考える。

イギーを仲間にするために、アヴドゥル―はイギーと戦うことになる。砂を操るイギーと炎を操るアヴドゥル―の対決。砂の方が分が悪いような気もするのだが…。合間にはアヴドゥル―がディオと出会った恐怖も描かれている。

原作マンガで描かれていないイギーが主役といってもよい作品だろう。原作マンガでもイギーの活躍パートはあまりない。野良犬として自由気ままに生活していれば、強力なスタンド使いと命をかけての戦いをする必要はなかったのだが…。

「岸辺露伴」の小説版は多数ある。実写ドラマ化もされている。同じ第三部でイギーも確かに人気キャラであるが、そこまでピックアップされていない。本作独自の、イギーがどのようにしてスタンド能力を手に入れたのかを描いても良いかもしれない。

知能の高いボストンテリアであれば、マンハッタンの犬社会で帝王になれたはずの存在。もし、イギーが先にディオに出会っていたらどうなっていたのか。もし、ディオの仲間としてジョースターたちの前に現れたらどうなるのか。。。

ジョジョファンであれば読んでも良いだろう。



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