名もなき野良犬の輪舞


 2023.12.13    潜入捜査官の苦悩【名もなき野良犬の輪舞】

                     
名もなき野良犬の輪舞 [ ソル・ギョング ]
評価:3

■ヒトコト感想
潜入捜査官の物語だ。冒頭、刑務所内部で暴れまわるヒョンス。その姿を見守る刑務所のボスであるジェホ。出所してからマフィア内部で力をつけていくヒョンス。ジェホとヒョンスの成り上がり物語かと思いきや…。「インファナル・アフェア」のように、実はヒョンスは警察からの潜入捜査官だった。ジェホが所属するマフィアの麻薬取引の現場を押さえるために、刑務所にまで入り込んだヒョンス。

そこまでするのは病気の母親の治療費を警察が肩代わりするからだったのだが…。ヒョンスが警察側だということをジェホは気づいており、それでもなお、ヒョンスを仲間に引き入れようとする。ヒョンスの立場が次々と変化していくのがポイントだろう。

■ストーリー
裏社会のトップをめざすジェホは、服役中の刑務所で野心あふれる美青年ヒョンスと出会う。他人を信じず生きてきたジェホだったが、窮地を救ってくれたヒョンスとは固い絆で結ばれた。出所後、二人は犯罪組織を乗っ取ろうとするが、信頼の裏に潜む真実が発覚し、衝撃の結末へと向かっていく…!

■感想
刑務所内で度胸と知性を見せることでジェホに気に入られるヒョンス。ジェホは独力で刑務所内部のタバコ販売網を牛耳り、刑務所のボスとなる。刑務所内部でジェホとヒョンスは義兄弟のような契りを交わす。ヒョンスが出所してからはジェホの組織に加わることになるのだが…。

序盤はジェホが成り上がるためにヒョンスが協力するという流れだ。ヒョンスを信用させ、大きな麻薬取引の現場を押さえて組織を一網打尽にするのが警察側の目的なのだが…。ジェホの腹黒さが見どころだろう。

ヒョンスの母親は事故で死亡する。このことをきっかけとしてヒョンスは変わっていく。この時点で、ジェホはヒョンスが警察の犬であることに気づいている。にもかかわらずヒョンスを気に入り仲間に引き入れようとする。

警察側もマフィア側もどちらもクソであることは変わりない。ヒョンスの母親が事故に遭ったのは組織の差し金だった。警察はそれを知りながらヒョンスに潜入捜査を続けさせるために黙っていた。全てを知ったヒョンスは怒り狂うのだが…。

ヒョンスがどのような思いでいるのかはわからない。警察と組織への恨みがあるのは間違いない。ラストの展開は、ヒョンスがどちら側につくのか?という思いがすべて解決することになる。ヒョンスが組織に対しての思いというよりは、ジェホとの友情に対しての葛藤というイメージかもしれない。

警察の上司への復讐し、ジェホに対しても恨みの気持ちをもつ。ヒョンスの複雑な感情が画面から伝わってきた。ジェホ自身もヒョンスを単なる道具として使う以上の思い入れがあるようだ。

ヒョンスの葛藤がポイントかもしれない。



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