ミスト 短編傑作選 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
スティーヴン・キングの短編集。なんといっても「霧」がインパクトがあるのは間違いない。映画版の「ミスト」がかなり強烈な作品だったので、それの原作はやはりホラーとしてのインパクトがある。なんでもない日常の中で突如として霧が町を覆い、人々を混乱の渦に巻き込んでいく。恐ろしいまでに正体不明の生物たちが人々に襲いかかる。
イメージとしては昆虫が巨大化したような感じだ。人間を餌とする昆虫や甲殻類。気持ち悪いグロテスクな色をした巨大な昆虫たちが人を襲い続ける。希望をもって町から脱出しようとするのだが…。映画版のラストはある意味衝撃的であった。原作は結局のところ救いも何もないということなのだろうか。。。
■ストーリー
「ミスト」として映画化され、TVドラマ化もされたスティーヴン・キングの代表作「霧」。スティーヴン・キング通が口をそろえて、「はじめてキングを読むのなら『霧』から」とオススメするホラー史上に残る傑作。この「霧」を収録したキングの短編集『SKELETON CREW』から、傑作を選りぬいて編んだ作品集。
■感想
「ジョウント」は印象的だ。謎のテレポーテーションを行える機器が未来には発明された。人体には影響ないのだが…。どのような原理で物が遠隔地に送られるのかは特に説明されていない。実験段階ではネズミを使いながら実用性のために研究を繰り返す。
そして、ネズミや人間は眠っていれば人体に影響がない。月と地球のような長距離を一瞬で移動するのは恐ろしい。物理学的にはありえないが、ジョウントはそれを可能にしてしまう。唯一、前提条件を破るととんでもないことになってしまうのだが…。
「ノーナ」は昔からあるパターンの幻の人物のパターンだ。ノーナという女性にそそのかされ、ある男は殺人を繰り返す。車に乗り暴走し途中で出会った警察を殺害し、さらに先へ進んでいく。後先考えない行動の数々はノーナというパートナーがいることによっての勢いもあるのだろう。
すべてが終わった後に、男の傍らには誰もいなかった。ノーナなんて人物は最初から存在していなかった。この手の作品はよくあるパターンだろう。強烈なインパクトがあるのは間違いない。
「ミスト」の雰囲気はすさまじい。霧が突如として立ち込める街の中に、正体不明の怪物たちがやってくる。人間が昆虫サイズになってしまったのだろうか。ドラッグストアに逃げ込んだ人々。外では巨大な虫たちがうごめいており、外に出た瞬間に虫たちの餌食となってしまう。
ただの昆虫も人間と同じサイズになるとハサミひとつであっさりと人間が真っ二つになってしまう。巨大な蜘蛛が吐き出す白い糸は、酸性の液が付着しており人々を溶かしながら糸で身動きをとれなくしてしまう。
どの短編も強烈なインパクトのある作品だ。