耳をすませば


 2024.6.12    ジブリアニメの続編はジブリ的な結末しかない【耳をすませば】


                     
耳をすませば
評価:2.5

■ヒトコト感想
ジブリのアニメは見たことがある。昭和の時代の甘酸っぱい中学生同士の恋愛という感じだ。本作は実写化というか、その後の二人を描いたという感じだ。雫と天沢のふたりがどうなったのか。イタリアに留学した天沢は予想通りチェリストとして成功している。対して雫はぱっとしないまま惰性で編集者として仕事をしている。

それぞれが夢に対してどのようなスタンスを貫くのか。特に雫は周りに流されるタイプのようだ。決断するために天沢のいるイタリアに行った際にも、天沢に遠慮をしている。よくある現実的な答えとしては10年間の遠距離恋愛というのはほぼ成立しない。ただ、本作はジブリアニメのその後ということなので、ハッピーエンドしか結論はないのだろう。

■ストーリー
読書が大好きで元気いっぱいな中学生の女の子・月島雫。彼女は図書貸出カードでよく見かける、ある名前が頭から離れなかった。天沢聖司―――全部私よりも先に読んでる―――どんなひとなんだろう。あるきっかけで“最悪の出会い”を果たした二人だが、聖司に大きな夢があることを知り、次第に惹かれていく雫。聖司に背中を押され、雫も自分の夢を胸に抱くようになったが、ある日聖司から夢を叶えるためイタリアに渡ると打ち明けられ、離れ離れになってもそれぞれの夢を追いかけ、また必ず会おうと誓い合う。

それから10年の時が流れた、1998年。雫は、児童書の編集者として出版社で働きながら夢を追い続けていたが、思うようにいかずもがいていた。もう駄目なのかも知れない―――そんな気持ちが大きくなる度に、遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、自分を奮い立たせていた。一方の聖司も順風満帆ではなかった。戸惑い、もどかしい日々を送っていたが、聖司にとっての支えも同じく雫であった。ある日、雫は仕事で大きなミスをしてしまい、仕事か夢のどちらを取るか選択を迫られる。答えを見つけに向かった先は―――。

■感想
中学生パートはジブリアニメとほぼ同じだ。それを回想として、メインは大人になった10年後の二人を描いている。天沢はイタリアでチェリストとして成功し、CDまで出したりもしている。対して雫の方は…。編集者としての仕事も中途半端で上司に言われるまま仕事をしていたところ、担当作家から担当を外れるように言われてしまう。

自業自得な部分もあるが、雫は他者に流されやすい。中学生の頃の強気な雫が大人となり世間が見えてくると、無難な方向へと流れていったという感じだ。

雫の悩みがメインだ。物語を書いてはいるが、全く芽がでない。同級生は結婚をしている。天沢はイタリアで成功し雫だけが置いてけぼりのような感じだ。客観的にみると雫のような人は世の中に大量に存在するのだろう。

夢に向かって努力をしているが、結果がでない。そのままだらだらと10年が過ぎて、仕事に力を入れる必要がでたため、夢をあきらめるのかどうか…。天沢に会って決断するために雫はイタリアへ行く。昭和の物語なので、SNSやテレビ電話で顔を見て天沢と話をするなんてのがないのがネックなのかもしれない。

雫はイタリアで天沢と会う。そこで天沢がイタリア女性と仲良くするのを見かけてしまう。ここで普通の彼女ならば天沢を問い詰めるのだが…。雫はそっと見守り、自分から離れるタイプだ。

中学の雫であればその場で天沢に食って掛かり自分の思いをぶつけていただろう。雫と天沢がイタリアと日本の遠距離恋愛は難しいと判断し、別れる決断をするのだが…。一番ありえる、現実的なパターンかもしれない。ただ、本作はジブリ作品の続編なので、ハッピーエンドが前提なのだろう。

ラストの展開はありえないだろう。



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